Project/Area Number |
03650005
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied materials
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩佐 義宏 東京大学, 工学部, 講師 (20184864)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 天然の量子細線 / 励起子工学 / 非線形光学効果 / 第3高調波発生 / ハロゲン架橋白金錯体 / ポリシラン / 1次元ワニエ励起子 / 電荷移動励起子 |
Research Abstract |
半導体に微細加工を施すことによる電子の量子閉じ込め効果の研究がさかんに行なわれている。その対極にあるのが高分子を中心とした擬1次元物質であり、究極の量子細線あるいは天然の量子細線と呼ばれている。本研究では以上の観点から主に2つの物質群をとりあげ、これらの電子状態を非線形スペクトロスコピ-によって調べ1次元励起子固有の性質を明らかにした。本研究は半導体量子細線の研究とは相補的な情報を与えるとともに、高分子の非線形光学効果の解明に対し、重要な知見を与えた。これらは1次元励起子を使ったオプトエレクトロニクス“励起子工学"の重要な基礎となるものである。以下に具体的な成果を述べる。 (1)ハロゲン架橋白金錯体は、白金がハロゲンを介して1次元的な配列をしている1次元物質である。この物質の配向薄膜を傾斜型キャスト法という方法ではじめて作製し、第3高調波発生法によって非線形光学スクぺクトルを測定した。レ-ザ-波長は2.2μmから0.5μmという広範囲に及んだ。これによって1次元的な電荷移動励起子(特に通常の線形分光では見えない禁制の励起子)が非線形光学応答に重要な寄与をしていることを示した。 (2)ポリシランとはシリコン原子が1次元的につながったシリコンポリマ-である。この物質の薄膜を作製し、第3高調波発生法によって非線形光学応答を測定した。これによって線形応答では見ることのできない共鳴構造を見出し、ポリシランの励起状態が1次元ワニエ励起子モデルで記述できることを見出した。 (3)これらの実験結果と炭素系高分子の非線形応答のデ-タを整理し、1次元励起子モデルによって統一的に理解できることを示した。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)