Research Abstract |
近年,マイクロマシンなどに代表されるように,微細かつ高精度に加工された機械部品が必要とされ,このため種々の材料に様々な加工をほどこす特殊な加工技術が要求されている.しかも,これらの機械部品には耐摩耗性,耐熱性,耐腐食性など特別な性質が要求される場合が多く,セラミックス,超硬合金,チタン合金などの特殊な材料が選ばれる場合が多い.本研究はレ-ザ-を用いて,難削材料の微小領域に瞬間的に高エネルギ-を与えることにより,材料を溶融もしくは昇華によって除去しようとするものである.このとき,材料のもつ物理的性質に依存して,熱応力による微小クラックの生成,材料の変質,熱膨張やエッジのダレによる加工精度の低下など高温加熱に伴う数々の問題点生じるが,これをいかに克服するかがこの加工法の重要なポイントである. 本年度は,研究費申請者がこれまでに開発した微小領域で高速で変化する温度を測定できる光ファイバ型赤外線幅射温度計を,レ-ザ-照射領域の温度を精度よく測定できるように改良するなど,本研究の主要部である実験装置の製作に主眼をおいて行ってきた.まず,コア径の細い光ファイバを用いるとことにともなう受光エネルギ-の低下を補うために,検出素子や増幅回路を改良した.これにより,直径10μm程度の領域を精度良く測定できるようになった.また,短時間の温度変化に正確に追随するために,レ-ザ-,移動台,測定計器をコンピュ-タで統一的に制御できるようにする必要があり,この点に関してもほぼ満足のいくシステムができている. 今後,この装置を用いることにより,照射領域の温度変化を測定し,照射領域近傍に生じる熱応力を解析すると共に材料の微細胞構造や物性の変化,加工精度への影響などについて詳細に検討してゆくことにしている.
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