Research Abstract |
本研究では,照明の制御が不可能な屋外環境などにおいて,カラ-情報をロボットの視覚認識に安定に利用するために,照明色の変化に影響されないカラ-情報の抽出・表現法を新たに提案し,その有効性を示した. 知能ロボットにおいては,視覚認識は必須の要素であり,カラ-情報はそのための有効な手がかりを与え得るが,現実には,画像デ-タを通して得られるカラ-情報は,天候などの環境の変化にともなう照明色の変化に大きく影響を受ける.本研究では,ロボットすなわち計算機が複数枚の画像デ-タを正確に記憶可能な特性を活用し,物体のカラ-情報を照明色に依存しないで安定に分離抽出できる手法を開発した.また,合成カラ-画像デ-タ、および、カラ-ビデオカメラにより入力した画像デ-タを用いて,開発して手法の有効性を検証した. 具体的には,画像から入力できるカラ-情報(R,G,B)から,照明色と物体色を分離する枠組みとして,照明光,物体反射率の分光分布特性を各々3個程度の基底関数の加重和で表現し,それらの加重係数を未知数とする連立方程式を導出し,複数枚の画像上で観測したカラ-情報を手がかりに,上記方程式を解く手法を開発した.これは,物体色を分離できることに対応する. 照明色,物体色,および,カラ-ビデオカメラの分光特性に関して,現実に即したデ-タを用い,合成カラ-画像を生成し,雑音レベル等を制御して実験を行うことにより開発した手法の安定性を調べた.また,照明が太陽光と仮定できる場合には,照明色に関して,制約条件が導入可能なことを利用し,物体色の復元の精度を向上させる手法を開発した.
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