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¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
ろう付の成否は固相と液相間の「ぬれ」に影響され,その制御に大きく依存する。従来,固相/液相間の界面反応は固相と液相のバルク間の反応として取り扱われ,「ぬれ」現象が理解されていた。しかし,近年,この界面反応をバルク間の反応だけでは取り扱うことができないことが次第に明らかとなり,従来の「ぬれ」現象の正しい理解と再構築の必要性がでてきた。このような状況に鑑み,本研究では,ろう付における接合初期過程で生じる界面素反応を素材のバルク間の反応としてではなく,固相と液相の極く表面および固相/液相の界面のミクロ領域間での反応としてとらえ,ぬれにおよぼす添加元素の効果やwe tーde we t現象の基本的な知見を得ることを目的とした。 実験は5×10^<ー5>トルの真空中で行い,母材には工業用純鉄を,ろう材には銀を使用し,そこへ錫を添加して,ぬれ性を調べた。ぬれ性は広がり面積の時間変化をビデオカメラで録画して,判定した。Ag中へのSnの添加量は0%,0.01%,0.05%.13%,21%とした。 100%Agろうでは,1000℃でのぬれ試験において,二次広がりは全く認められなかった。そして,約13分後にde we t現象が観察され,これが,Agの蒸発現象と関連していることが推定された。 Snの添加量を増して13%にすると,明瞭な二次広がりが起こり始めた。Snが液体ろう材の表面と固液界面に富化しているためと考えられるが現在分析中である。このSn量の場合にもde we t現象が見られた。Sn量が21%に増加すると,ぬれ進行前方にha loが出現し,de we t現象が見られなくなることが知られた。 二次広がり,ha loの形成とde we t現象との間の相関性およびそれらとSn添加量とSnの拡散現象との間に密接な関連がありそうであるが,現在解析中である。
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