Project/Area Number |
03650675
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
有機工業化学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉田 信之 京都大学, 化学研究所, 教授 (50027025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 清 京都大学, 化学研究所, 助手 (60205094)
森 貞之 京都大学, 化学研究所, 助手
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | ナフタレンカルボン酸 / 二酸化炭素 / カルボキシル化 / 炭酸セシウム / ギ酸セシウム |
Research Abstract |
1。反応基質としてナフタレンー2ーカルボン酸のアルカリ金属を用いアルカリ金属炭酸塩存在下、アルカリ金属ギ酸溶融塩中で高圧CO_2との反応を行なった結果、CO_2による直接カルボキシル化反応が起こり、ナフタレンジおよびトリカルボン酸塩が得られた。アルカリ金属種によって反応性は大きく異なり、LiおよびNa塩系では全く反応せず、KやRbおよびCs塩系で進行する。特にCs塩系が高い反応性を示し、ジおよびトリカルボン酸が不均化収率を上回る収率で得られた。 2。Cs塩系の反応性に及ぼす反応温度、CO_2圧力及び反応時間などの影響を調べた結果、350℃付近から反応は進行し温度の上昇と共にカルボキシル化収率(カルボキシル基基準)及び目的の2.6ー体の選択率が増し420℃(1h)でそれぞれ102%,61%に達した。圧力100atm以下ではナフタレンが副生し不均化反応が起こるが、それ以上では圧力と共に直接カルボキシル化反応が優先し、400atm(380℃,4h)で得られたジおよびトリカルボン酸の全カルボキシル化収率は152%に達した。反応初期では2.6-体が主生成物であるが、反応時間と共に減少し2時間以降は2.6-体が主生成物となる。トリカルボン酸(2.4-体)の生成には約1時間の誘導期が見られ、これは主に2.4-体を経由した逐次反応生成物である。 3。本反応には炭酸塩と加圧CO_2が必須である。この両者からなる錯体生成が化学分析、X線回析やIR吸収などから示唆された。また、CO_2及び炭酸塩の ^<13>C同位体を用いた実験結果、導入されたカルボキシル基源は気相中のCO_2であることがG.C-マス分析によって確認された。これらの結果から、まず炭酸塩が加圧下CO_2と配位錯体を形成し、これがナフタレン環上の炭素を親電子的に攻撃すると同時に炭酸アニオンによって水素が引き抜かれカルボキシル化が進行していると考えられる。
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