ピッチの炭化で得たメソフェ-ズの電場処理に関する研究
Project/Area Number |
03650676
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
有機工業化学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三宅 幹夫 大阪大学, 工学部, 助教授 (80112019)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 炭化反応 / メソフェ-ズ / 球晶 / 電場 |
Research Abstract |
機能性炭素材料としての応用が期待されるメソフェ-ズ球晶の静電特性に関する知見を得るため、球晶分散ピッチを溶融状態(300℃)において電場処理(〜5000V/cm)した。ワンドアン炭液化油残渣から調製した直径10μm程度の球晶を含むピッチは、1000V/cm以上の電場を10分間印加すると、成長・合体することなく陽極へ集合することが判った。集合した球晶の割合が電場強度に依存して増大したことから、本球晶はク-ロン力によって陽極へ移動したと推察できる。集合した球晶の偏光顕微鏡による干渉色の観察から、球晶内のラメラは電場方向と平行に配列しており、また、ラメラ自身も通常のBrooksーTaylor型よりもフラットに配向していることが示唆された。球晶の直径が20μm以上になると、球晶に対する電場処理効果は認められず、球晶の重量や系の粘度が移動特性に大きい影響を及ぼすことがうかがえる。一方石炭ピッチ水素化物から調製した球晶は、陰極へ集合し、合体が促進してドメイン組織が発現した。この場合も、ドメイン内のラメラは電場方向に対して平行に配列していることが示唆された。また、ナフタレンを重合させて得た球晶分散ピッチでは、電場効果は認められなかった。キノリン抽出により球晶を等方性マトリックスから分離し、各球晶を分析(Xー線回折、FTーIR測定、元素分析)した結果、発達した縮合芳香環に富み、脂肪族成分が少なく、ラメラが密に積層した球晶において電場処理効果が発現し易やすいことが明らかとなった。また、ワンドアン炭と石炭ピッチ水素化物について、分離した球晶とマトリックスとを入れ換えて電場処理(5000V/cm)を施した結果、いずれも半分程度の球晶が陰極へ移動した。従って、球晶とマトリックスの帯電序列は、正側から負側へ、石炭ピッチ水素化物・球晶、ワンドアン残渣・マトリックス、ワンドアン残渣・球晶・石炭ピッチ水素化物・マトリックス、の紙と見積ることができる。
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Report
(1 results)
Research Products
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