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¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
1.難溶性フタロシアニンの合成原料である1,2ージシアノベンゼン(1)と、可溶性テトラピラジノポルフィラジン(2)の合成原料である5,6ージトリデシルー2,3ージシアノピラジン(3)を同時に用い、エタノ-ル中、DBUの存在下で還流した。原料(3)と(1)のモル比を変化させたところ、1:4.7のときに、ピラジン環を1個含む非対称フタロシアニン類縁体(4)が最大収率12%で得られた。また、原料(3)のアルキル基をウンデシル基とすると、(4)の固族体(5)が9%の収率で得られた。 2.上記2種の反応においては、ピラジン環を2個以上含むフタロシアニン類縁体の生成はほとんど認められなかった。これは、原料(1)に比較して、(3)の反応性が低いと考えると解釈できる。分子軌道法計質による電子密度の考察もこの考え方を支持した。 3.原料(3)のかわりに、2,3ーボルナノ〔2,3ーb〕ピラジンジカルボニトリル(6)を用い、(6)と(1)のモル比1:19で反応させると、ピラジン環を2個含むフタロシアニン類縁体(7)が収率3%で得られた。 4.可溶性フタロシアニン(8)の合成原料である4,5ージヘプチルー1,2ージシアノベンゼン(9)と,難溶性テトラピラジノポルフィラジンの合成原料である2,3ージシアノピラジン(10)をモル比1:79で反応させると、ピラジン環を3個含む非対称フタロシアニン類縁体(11)が低収率ながら得られた。 5.合成した新規フタロシアニン類縁体(4),(5),(7),(11)の諸物性を比較した。なかでも、非対称体(4),(5)は、対称型類縁体(2),(8)のと比較して、きわめて高い溶解度を示すという特徴があり、クロロフィルやヘムの機能との関連が示唆された。
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