Project/Area Number |
03650725
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子物性・高分子材料(含機械材料)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
寺本 明夫 大阪大学, 理学部, 教授 (00028151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 尚弘 大阪大学, 理学部, 助手 (10196248)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 半屈曲性高分子 / 濃厚溶液 / 局所構造 / 光散乱 / 相関長 / 浸透圧縮率 / 乱雑位相近似 |
Research Abstract |
散乱実験は系の微視的構造を調べるのに有用な手法である。当該研究では半屈曲性高分子の準希薄溶液に対して光散乱実験を行い、同溶液の局所構造を調べることを目的とした。具体的には高分子セグメントの局所濃度ゆらぎについての相関長ξと散乱関数及び熱力学量である浸透圧縮率(∂π/∂C)を濃度の関数として求めた。得られた結果は乱雑位相近似を用いた島田ー土井ー岡野の理論(SDO理論)と比較した。 実験に用いた系は典型的な半屈曲性高分子として知られているポリ(ヘキシルイソシアナ-ト)(PHIC)の重量平均分子量が65万の試料とジクロロメタン(DCM)の溶液で、高分子濃度は重なり濃度C^*の約11倍(9×10^<-3>g/cm^3)の準希薄領域まで行った。用いたPHIC試料のKuhn統計セグメント数は20.9でかなりコイルに近い形態をとっているが、これまでの半屈曲性高分子の研究より分子内排除体積効果は受けておらず非摂動状態をとっていると考えられる試料である。またDCMはPHICに対する良溶媒である。 (∂π/∂C)^<-1>とξ^<-2>はC^*の約3倍以上の濃度領域では高分子濃度とほぼ直線関係にあり、SDO理論の予想と一致している。但しより希薄な領域ではこの直線関係は成立せず、SDO理論と矛盾する。以前に比較的低分子量のPHICのDCM溶液について沈降平衡実験により求めた浸透圧縮率はハ-ド冠球円筒分子に対するscaled particle理論によってほぼ定量的に記述されたが,本研究で得られた(∂π/∂C)の結果は同理論の予想とは一致しなかった。これは分子の屈曲性の効果が(∂/∂C)に反映されたためだと考えられる。 今後高分子溶液の局所構造をさらに理解するためには、種々の高分子について広い分子量及び濃度範囲に渡って散乱実験を行う必要があると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
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