酵母液胞膜におけるチャンネル電流のパッチクランプ法による測定
Project/Area Number |
03650757
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
化学工学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
矢部 勇 東京大学, 応用微生物研究所, 助手 (90111575)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 酵母 / 液胞膜 / パッチクランプ / プロトンポンプ / チャンネル電流 |
Research Abstract |
1)培養条件を工夫することにより、酵母の一培体A型細胞(Saccharomyces cerevisiaeのX2180ー1A)を巨大化した上で、浸透圧ショックにより最高20μmの巨大液胞を無傷で遊離させる事に成功した。 2)液胞膜上にあるH^+ーATPaseのH^+PUMPの膜電位依存性を測定した。巨大液胞膜にWholeーvacuoleーrecordingの測定モ-ドを適用したところ、外液にATPが無くしかもCa^<2+>濃度が0.01μMと低い時には、膜電位がOmV近傍では殆ど電流は流れないが、これにATPを4mM添加すると液胞内へ向かう膜電流(ピ-クで100pA)が誘引された。その電流は、設定したH^+濃度勾配(内側pH=5.5、外側pH=7.5)と逆方向へ流れ、しかもそれがATPによって誘引され、さらに液胞膜H^+ーATPaseの特異的阻害剤Bafilomycin A_1により阻害を受けしかもその50%阻害濃度が10nMと低いことにより、H^+ーATPaseのH^+PUMP活性に対応するものと考えられる。さらに4mM ATP添加時及びそれにBafilomycin A_1添加時の膜電流の膜電位位存性を各々求めその両者の差により、H^+ーATPaseのH^+PUMP活性の膜電位依存性を導出した。 3)液胞膜全体に流れる電流は外液のCa^<2+>濃度によって大きく変化することをWholeーvacuoleーrecordingの測定モ-ドで確認した。外液のCa^<2+>が0.01μMと小さい時は、膜電流は主として陰イオンからなりそのVーI特性(膜電流と膜電位との関係)は対象なohmicな傾向を示す。一方、Ca^<2+>が2mMと大きくなると新たにK^+イオン電流が誘引されそれは液胞内へ向かう(内向き)整流特性を示しその電流値もnoisyとなる。 4)液胞にExcisedーpatchーrecordingの測定モ-ドを適用して個々のイオン輸送蛋白活性を測定したところ、slaymannが発見したCa^<2+>依存外向き整流性K^+チャンネル電流以外に新たに内向き整流性K^+チャンネル電流を観測した。膜全体としては少なくともこの2種類チャンネル電流が重畳され全体として内向き整流性を示すと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)