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¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
気液下降並流充填層では、固体触媒の大きさおよび形状によって決まる充填構造が気液の流れに大きな影響を及ぼす。そこで、本研究では、球状(直径1.5,1.5,2.5,6.0mm),円柱状(楕円断面2.0×2.5,長さ3.5mm)および断面が三つ葉形状をした押出し成形粒子(高さ1.56mm,長さ5.4mm)などを直径120mmの円筒に充填し、空隙状態をX線CT法によって調べた。従来、粒子充填層の空隙分布は、充填層にエボキシ樹脂を流し込み、これを固化したのち旋盤ですこしずつ削り取り、この中に含まれるエボキシ樹脂の量から求める方法が一般的であるが、この方法で1回の測定に100時間以上を要するのが普通である。これに対し、本研究で用いたX線CT法では、数分で1回の結果が得られ、その精度は従来法に匹敵するものであった。このように、本研究では従来法よりも格段に迅速な充填層の空隙率分布を得る方法を開発した。 X線CT法によって、前記の粒子を用い、それぞれの充填層内空隙率分布を測定した。直径6.0mmの球状粒を用いた時、空隙率の頻度分布が空隙率の広い範囲にわたって分布し、層内がかなり不均一であることがわかった。これに対し、直径2.5mmの球状粒子,円柱状粒子および三つ葉状粒子などの充填層では、空隙率分布は相互に類似し、頻度分布をそれほど広範囲にわたらなかった。さらに、1.5mm径の球状粒子を用いると空隙率はかなり均一となった。 気液を並流で下方に流した時の局時液滞留率分布を調べたところ、粒子を充填した時の空隙率分布と類似していることが判明した。本研究で用いた三つ葉状粒子は工業的によく用いられている触媒と同じ形状であるが、従来このような粒子を用いた充填層の空隙構造に関する研究はなく、本研究によって新しい知見を得ることができた。
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