Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Research Abstract |
イネのいもち病抵抗性発現にともなう過敏感細胞死の誘導,抵抗性反応における過敏感細胞死のもつ重要性について検討した。 1.いもち病菌は培地にイネプロトプラストの破壊を誘導する成分を分泌する。この破壊は個体レベルでの過敏感細胞死に類似していた。FDAの取込みを蛍光光度計により計測することによる細胞破壊活性のアッセ-法を確立し,プロトプラスト破壊活性物質の検索を行った。活性は熱処理により失活し,エタノ-ル,アセトン,10%TCA,硫安の50ー75%飽和溶液で沈澱することからタンパク質性の物質と考えられた。活性は逆相クロマトグラフィ-によりアセトニトリル低濃度で溶出された。SDSーPAGEにより活性分画には20kDa付近に3的のバンドとして認められた。粗濾液のオオムギや双子葉植物に対する活性は低かった。イネプロトプラストに対しては非親和性菌との組合せで生存率が低い傾向が認められた。 2.12時間後の過敏感細胞死率と病斑形成指数で示した抵抗性程度との間には高い相関が認められた。抵抗性品種の幼苗を熱処理した後接種すると接種12時間後の過敏感細胞死率は低下し,48時間後の菌糸伸展には罹病性品種と有意な差異は認められなくなることが示された。抵抗性品種を熱処理し過敏感死能を消失させた後接種し,抵抗性抑制の程度を比較した。Piーk,Piーtaをもつ品種は抵抗性が抑制され侵入菌糸は伸展したが,Piーz^tをもつものは抵抗性を維持しており菌糸伸展は認められなかった。Piーk,Piーta,Piーzについてはその抵抗性発現に過敏感細胞死が重要な役割をもっており,抵抗性の程度は接種12時間における細胞死率の程度によって決定されているが,Piーz^tについては,必ずしもこれが大きな決定要因とはなっていないものと考えられた。
|