Project/Area Number |
03660011
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
平沢 正 東京農工大学, 農学部, 助教授 (30015119)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 泰一郎 東京農工大学, 農学部, 助手 (80213643)
|
Project Period (FY) |
1991
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
|
Keywords | 水稲 / フェ-ン / 高温乾燥風 / 出穂期 / 白穂 / 穂の木部の水ポテンシャル / 穂首の伸長 / 水の通導抵抗 |
Research Abstract |
水稲は湛水状態に生育しているにもかかわらず、出穂開花期にフェ-ンなどの高温乾燥風下で白穂となることがある。本研究は白穂の発生機構を明らかにする目的で、ポットに生育する水稲品種コシヒカリを出穂期に気温34〜36℃、相対湿度45〜60%、風速8〜14m/sの高温低湿度強風条件におき(以下処理とする)、白穂の発生に関係する要因の検討を行った。得られた成果の大要は以下の通りである。 1.穎花の白化は穂の木部の水ポテンシャルが約ー10bar以下になると認められ、穎花の表面積に占める白化部分の面積で表わされる穎花の白化程度は、(1)穂の基部よりも先端に位置する枝梗に着生している穎花、(2)2次枝梗よりも1次枝梗に着生している穎花で大きかった。(平沢) 2.個々の穎花の白化程度を基礎に算出した平均穎花白化程度は、穂の木部の水ポテンシャルの低下に伴って大きくなり、-30bar以下では著しく大きくなり、白穂となった。白穂となった水稲では水の通導低抗が著しく大きかった。(平沢) 3.白穂の発生程度は、出穂後約1日から約4日の水稲で著しく大きく、それ以前及びそれ以後に処理した水稲では小さかった。出穂後いろいろな時期に処理した水稲について穂首の伸長速度と平均穎花白化程度の関係をみると、平均穎花白化程度は穂首の伸長速度の増加に伴って大きくなり、穂首の伸長速度が最大に達した直後に最も大きくなった。播種日をかえ、生育時期の異なる水稲についてそれぞれ穂首の伸長の最も盛んな時期に処理すると、穂首の伸長速度が大きい水稲ほど平均穎花白化程度が大きく、白穂になりやすいことがわかった。(大川) 4.以上の結果、白穂は水の通導抵抗が増加し穂の水ポテンシャルが著しく低下することによって発生すること、さらに水の通導抵抗の増加には穂首の伸長と関係する組織的変化が関与していることが推察された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)