中性子ラジオグラフィ-による植物根圏の土壌水分動態の解析
Project/Area Number |
03660061
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
土壌・肥料
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中西 友子 東京大学, 農学部, 助教授 (30124275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 聰 東京大学, 農学部, 教授 (20032295)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 中性子ラジオグラフィ- / 植物根圏 / 水分動態 / 吸水性ポリマ- |
Research Abstract |
根近傍における土壌中の水分動態は、実験そのものが困難であるため、今まで殆ど行われてきていない。本研究では、中性子ラジオグラフィ-法を用いて土壌中の水分動態を像で得ることを試みた。中性子ラジオグラフィ-法の開発に当り、まず、中性子を光に変換するコンバ-タ-の検討を行った。その結果、通常用いられているガドリウムより、フッ化リチウムを蒸着させたコンバ-タ-が最も感度が良いことが判明した。フィルムについては、長時間の照射及び後処理が必要であったX線フィルムの代わりに、ドライフィルムを用い短時間で像を得る手法を開発した。しかし、市販のドライフィルムは、まだ品質の一定でなく、ロットごとに中性子に対する感度の補正が必要である。中性子ラジオグラフィ-法用の植物育成法の開発では、アルミニウム製の薄箱に発根した種子を固定することにより、良い像と与える植物試料が得られることがわかった。しかし、長期間(2週間以上)の育成に際しては水分の補給系が必要であり、植物を育成しながら土壌水分の動態を調べるためには、更に、像での解析可能な水分補給系の検討が必要である。現在、砂漠の緑化等で着目されている、土壌添加剤としての吸水性ポリマ-の検討では、アクリル系ポリマ-及びビニル系ポリマ-を用いて実験を行った。アクリル系ポリマ-を添加した場合には土壌の水分が減少しても、ポリマ-から根への水分供給は行われないことが本法によりわかった。ビニル系ポリマ-の場合には、アクリル系ポリマ-の場合と同様、まず、土壌中の水分が根により吸収され、次にポリマ-から根に水分が供給される過程が中性子ラジオグラフィ-像により判明した。土壌の種類による根の水分吸収動態を調べるため、採取した土壌を用いて検討を行っているが、土壌により粒径及び水分保持状態が異なるため、現在のところ、まだ、相互に比較できるデ-タ解析系が得られていない。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)