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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
1.蛋白質とのハイブリット(HYB)形成反応条件の検討 HYB作成は、両者を溶解混合、凍結乾燥し、60℃、一定相対湿度(RH)で一定期間保存反応させることを基本とし、次の検討を行った。 (1)RH65%と79%では79%の方が反応し易く、反応期間を短縮できた。 (2)多糖類として,Polydextrose,Amylopectin,Chitosanを検討したが、いずれも不適、一方、Guar gumをβーgalactomannaseで部分加水分解、透析したGalactomannan(GM)は、Dextranと同様の効果を示した。 (3)脂肪酸(塩)とのHYVは、不溶化し、この点を検討中である。 2.食品蛋白質のHYB形成による新規機能性の付与について (1)大豆蛋白質とGMのHYBは、乳化性、酸性側での溶解性の改善などを示したが、十分ではなかった。そこで、Protease消化を検討した結果、予め蛋白質をSubtilisin(Sub)(Sub,Pronase,Trypsin,のうちSubが最適)で消化したものとGMのHYBが、乳化性の著しい改善を示し、市販食品用乳化剤と変わらず、特に酸性側で優れた性質を示した。この特徴については、更に研究中である。小麦グルテンも、予めSub消化を要した。 (3)リゾチ-ムとGMのHYBは、乳化性の著しい向上と新たにグラム陰性菌の溶菌性を示した。このHYBは、新しい食品用抗菌剤として利用可能で、その抗菌スペクトラムを詳細に研究中である。 以上、HYB作製には、難溶性蛋白質は予め酵素分解したもの、多糖類は分子量数万、枝分かれ多く、枝の短いものがよいようであった。これらのHYBは、蛋白質の疎水部分が油滴を形成し、表面にでた糖鎖が油滴の合一を防止し、乳化性を改善したと考えられた。リゾチ-ムの場合は、著しい乳化性により菌体膜と相互作用し、その活性を改善したものと考えられた。そこで、グラム陰性菌の膜と積極的に相互作用するように設計すれば、さらに抗菌性の広いものが得られると考え、計画している。
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