Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
従来の慣用ドリルによる穴あけ加工の性能を改善させる加工法の一つとして振動複合ドリルによる加工が考えられる。 本研究では、低周波振動を複合させたドリルによる木材および木質材料の穴あけ加工についての基礎実験を行ない,この時の振動および穴あけの各種加工条件がドリルの切削抵抗に及ぼす影響について検討した。 実験装置には,自動ボ-ル盤と電磁式加振機を用い,加工材を工具ドリルの送り方向に対し上下方向に振動させ,これに対し上部より一定の速度で送り込み穴あけを行なう方法である。実験では,2種類の加工材を用い,振動数(f),全振幅(2a),送り速度(V),ドリル回転数(N)を広範囲に変化させて加工実験を行ない,この時の切削抵抗(スラスト,トルク)を測定した。なお,得られた研究成果の概要は,下記のとおり。 1)振動穴あけでの切削抵抗は,f変化の場合スラストは,0Hz(無振動穴あけ)から約20Hz位までは振動複合による減少効果が認められるが,それ以上からはやや高い値を示す。トルクは,fの増加とともに減少効果が見られる。 2)2a変化でのスラストは,fの低い場合2aの増加につれて減少するが,fの大きい場合約2a=0.4mm位までは減少するがそれ以上からは逆にわずかに増加する傾向を示す。トルクは,2aの増加とともにわずかに減少する。 3)V変化では,スラストおよびトルクともVの増加につれて増加するが,無振動のそれよりも常に小さい値を示す。 4)N変化では,スラストおよびトルクともNの増加につれて減少するが,無振動のそれよりも小さい。 5)各種加工条件下でのドリル先端形状の顕微鏡観察結果では,本実験の範囲内では明らかな差異は認められない。
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