Project/Area Number |
03660265
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
農業気象・生物環境制御学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
青木 正敏 北海道大学, 農学部, 助教授 (60081569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 宏 北海道大学, 農学部, 助手 (80142701)
堀口 郁夫 北海道大学, 農学部, 教授 (10001439)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 温室内植物組織培養 / 太陽光利用 / 培養苗生産 / 温度制御システム / 省エネルギ- / 温度制御性 / 熱負荷 |
Research Abstract |
現在の組織培養法では、多量の電力を必要とする人工照明装置と空調装置を備えた、高価なクリ-ンル-ムで行われる。設備費・電力料金が高額であることが、培養苗生産技術の発展の大きな支障となっている。そこで、本研究では、効率的・経済的に植物組織の培養を行うため、温室において自然光を利用した無菌的培養技術を発展させることを最終的な研究目標とした。残された解決すべき問題点としては、温室内におかれた培養容器の温度制御をいかに省エネルギ-的に行うかである。そこで、(1)省エネルギ-的な温度制御システムの開発、(2)その制御に必要な電力量、(3)温度の制御性、(4)温度制御システムを用いた培養組織の生長、について検討した。 温室内気温を一定に保つことは困難である。そこで、培養容器を、水を張った浅い水槽の中に配置し、その水槽に循環させる水の温度を制御することによって、培養容器内の温度を一定に保つ温度制御システムを考案した。このシステムを3組製作し、ガラス室内に設置し、温度の制御性と25℃に保つための熱負荷を調べた。ガラス室内気温は制御しなかったが、培養容器内温度の平均日較差は約1.8℃であり、容器内温度を一定に保つことができた。培養容器内を25℃に保つために必要な電力は、同面積のクリ-ンル-ムの空調に必要な電力の約4倍と推定された。このうちの約75%が水槽からの水分蒸発による熱損失であった。システムを密閉して蒸発を抑制すれば、この損失熱を約1/6に軽減することは容易に達成できるので、クリ-ンル-ムでの空調に必要な電力量と同程度にすることは容易である。温室では、人工照明の電気エネルギ-が不必要である。このため、温度制御に必要な電力がクリ-ンル-ムの空調に必要な電力と同程度であれば、全体としてはかなりの電力軽減となる。イチゴとカ-ネ-ションの培養組織の生長を調べた。温度を制御しない場合と比べて、本システムを用いて温度制御を行った場合には、両植物ともに全体的に生長が著しく向上した。以上のことから、水槽を用いた培養容器の温度制御法が、温室内での太陽光を利用した組織培養を行う際に有用であることが確かめられた。
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