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¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
骨髄骨は産卵産の雌鳥の骨髄腔に発達し,卵殻形成のためのカルシゥムの貯臓所として機能している。この骨髄骨の形成はエストロジェン(E_2)によって誘発され,成熟した雄鳥にE_2を投与することによって人為的に形成させることが可能である。しかしながら,骨髄骨の形成を担う骨芽細胞をはじめとする骨形成細胞にE_2が直接的に作用しているかどうか明らかでない。したがって,本研究は産卵ウズラおよびE_2処理を施した雄ウズラを用いて、骨形成細胞のエストロジェンレセプタ-(ER)の検出を免疫組織化学的に試みた。 産卵ウズラ骨髄骨の骨形成細胞におけるERを同定するために,産卵ウズラの大腿骨骨幹中央部から骨髄骨を採取してEDTA・2Naで脱灰した後,凍結切片を作製した。これらの凍結切片にERーICA monoclonal Kit(Abbott.Lab)を用いて,ER免疫反応を施して光学顕微鏡および透過型電子顕微鏡によって観察した。その結果,骨髄骨表面に存在する骨芽細胞の核にERの免疫反応産物が認められた。 E_2処理雄ウズラの骨形成過程における骨形成細胞のERの同定のために,3ケ月齢の雄ウズラに吉草酸E_2を注射し,注射後24および48時間に大腿骨骨廻中央部を採取した。大腿骨は上記の方法に従って,ERの免疫反応を施して光学顕微鏡および電子顕鏡によって観察した。その結果、E_2の注射後24時間では,大腿骨の骨内膜表面にbone lining cellおよび前骨芽細胞が観察され,これらの骨形成細胞の核にERの免疫反応が認められた。また,E_2注射後48時間では,骨芽細胞による骨髄骨の形成が骨内膜にみられ,骨芽細胞の核にERが確認された。 以上のことから,E_2は骨芽細胞による骨髄骨の形成を直接的に刺激するだけでなく,それらの前駆細胞にも直接的に作用し,骨芽細胞の分化を促すことが示唆された。
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