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¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
単細胞蛋白質中に多量に含まれるRNAの構成アデニンが,単細胞蛋白質給与時にみられる成長遅滞,腎腫大および飼料摂取量の低下の原因物質であるかどうか,またその機構はどのようになっているかどうかを検討した。 まずRNAの消化の結果遊離アデニンが生成されアデニンの形で吸収されるかどうかを単離腸粘膜細胞を使った実験とin situ吸収実験によって検討した。その結果,消化管内で遊離のアデニンは代謝されにくくそのまま吸収されるが,消化管内でヌクレオチドやヌクレオシドから遊離のアデニンが生成されることはなく,RNA給与時にはAMPやアデノシンからアデニンの形を経て体内に取り込まれる可能性はないことが明らかにハった。この結果は,RNA給与時とアデニン給与時にみられる一見同じような腎腫大が異なる原因物質とメカニズムで起っていることを示唆している。 次にRNA給与とアデニン給与によって起る害作用を詳細に検討した。その結果次の3点が明らかになった。(1)RNA給与とアデニン給与によって起る成長遅滞,飼料摂取量の低下および腎の腫大は外見上両区で同じである。(2)RNA給与時には腎中にリンとカルシウムの蓄積がみられたが,アデニン給与時般はこれらを検出できなかった。(3)RNA給与時には腎に2,3ーDHAが存在しなかったが,アデニン給与時には腎中にこれを検出した。したがってRNA給与時にみられる腎腫大はRNA中のリンによって起こり,RNA中のヌクレオチドアデニンによっては腎腫大が起らないことが明らかになった。 本研究の結果に基づいて,RNA中のリン含量に相当するリンの給与実験を行い,腎へのリンの蓄積の確認と軽減法を検討することを計画している。
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