ラット視床下部情報制御系におけるCa・カルモジュリンの役割について
Project/Area Number |
03660310
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
基礎獣医学
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
太田 光明 大阪府立大学, 農学部, 講師 (20134504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩田 昌一 大阪府立大学, 農学部, 助手 (10137242)
大橋 文人 大阪府立大学, 農学部, 講師 (10126013)
西村 昌数 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (50011995)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 脳 / 視床下部 / カルシュウム / カルモジュリン / 明暗刺激 / 寒冷刺激 / 免疫応答 / ラット |
Research Abstract |
実験動物として日本ウズラ(鳥類)及びラット(哺乳類)を用いて、また異なる外的刺激として明暗と寒冷を用い、共通する中枢レベルの変化としてCa^<2+>・カルモジュリンの変動を捉えた。寒冷刺激での代謝変化に着目したとき、動物は寒冷初期の全身の消耗を省みないエネルギ-消費による熱産生からエネルギ-ロスを極力抑えた熱産生へと転換させていく。この指令は、まず視床下部腹内側核ー視交又上核から発せられ、次いで室旁核ー背内側核へと伝わることを、電気的及び化学的破壊法によって証明した(Am.J.Physiol.投稿中)。そして、この生理学的変化の本体の一つは、Ca^<2+>の細胞内流入であることをカルシュウムチャンネル阻害剤の適用並びに電気生理学手法から明らかにしたとともに、このCa^<2+>シグナルはカルモジュリン分布の変動をもたらすという仮説は、定量的に実証された(Naturc投稿予定)。また、上記仮説は別の角度から証明されつつある。超微小粒子(高吸水性ポリマ-)注入により視床下部特定領域のCa^<2+>・カルモジュリン分布を変化させたとき、代謝調節に関わる殆どすべてのホルモン分泌が一次的に、あるいは二次的に素早く変動することが明らかとなった(Am.J.Physiol.投稿中)。これら既に得られた知見を基に、現在新たに免疫応答と中枢連関に関する研究の初段階として、異種脾臓細胞移入を検討しつつある。ラットを用いて、異種細胞移入後の拒絶反応を中枢レベルの変化として検討しようという試みである。この外的侵襲に対して、対応する視床下部レベルの神経核は、極めて寒冷刺激による反応と類似していることが判明した。すなわち、移入後7日目には、室旁核ー背内側核のカルモジュリンレベルが明らかに高くなる。つまり、外的あるいは内的刺激に応答して発現される多種多様な生体現象は、共通した物質的基盤と普遍的制御系の組み合わせの上に成立しているという仮説はその概要が明らかにされつつある。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)