Project/Area Number |
03670008
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General anatomy (including Histology/Embryology)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
臼倉 治郎 名古屋大学, 医学部, 助教授 (30143415)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | アレスチン / Sーantigen / 視細胞 / 網膜 / 免疫細胞化学 |
Research Abstract |
アレスチンはSーantigenとも呼ばれ、分子量49KDa蛋白質で網膜における視覚の初期過程に関与していると考えられている。またこの物質は自己免疫性ブドウ膜円を引き起こすことでも有名である。この蛋白質にたいしてモノクロ-ナル、ポリクロ-ナルの抗体を作製し、それを標識とした免疫細胞化学法により、ヒト及びサルの網膜における局在を詳細に調べた。アレスチンはヒト、サルの網膜において同様の分布を示した。杆体視細胞に高密度に分布し、それ以外の場所では極めてすくなっかた。とくに興味あることに錐体視細胞にはほとんど分布しないことである。錐体と杆体は発生分化の過程において極めて近い関係にあるにもかかわらずアレスチンが存在しないことになる。しかし、サル網膜ではごく一部の錐体視細胞が標識された。その錐体視細胞が何色を受容するかは明らかではないが、錐体視細胞にはアレスチンが存在しないと考るよりは、ある種の錐体視細胞には多少アミノ酸配列の違うアレスチンが存在すと考えたほうが妥当である。一方、杆体視細胞内でもその分布は一様ではなく、外節基部、内節エリプソイドにもっとも高密度に分布し、シナプス部にも相当量存在する。しかし外節末端部には非常に少ない。このような分布パタ-ンから推測すると、アレスチンの機能を視覚初期過程と考えるよりももって一般的な神経興奮あるいは順応過程に関与する蛋白と考えたほうがよさそうである。とくに錐体視細胞に杆体と同じアレスチンが認められないということはそれらの視細胞のもっとも大きな機能の差である順応過程に関与している可能性が高い。
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