Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
本研究は、大脳基底核の被殻と尾状核の単一ニュ-ロンの活動を動物が学習した行動を行っている時に記録して調べ、被殻一淡蒼球系の機能が異なるのか、異なるとすれば行動の発想や運動の制御においてどのような役割をもつのかについて具体的な答を得ることが目的である。方法:大脳基底核の損傷によって障害されると考えられている“一連の順序に促った運動"seguertial Movementを運動課題として2頭の日本ザルに学習させた。サルはモンキ-チェアに座っていて、目の前に逆三角形状に配置された3つの押しボタンを、感覚刺激誘導モ-ド,自己始動モ-ドそして記憶誘導モ-ドで押えるのである。結果:運動課題に関連して活動するニュ-ロンを被殻より288個,尾状核より128個記録した。被殻のニュ-ロンは、1)運動に関連するニュ-ロン171個,2)感覚刺激に応答するニュ-ロン28個,3)認知的な機能と関係すると考えられるニュ-ロン89個とが含まれた。これらの中には、感覚手掛かりの予期(27個),運動の準備(35個),報酬(18個)や運動の順序の記憶(9個)に特異的に関連して活動するニュ-ロンがあった。これに対して尾状核ニュ-ロンは運動関連細胞(47個)感覚刺激に応答するもの24個と認知的機能と関連すると考えられる細胞57個であった。被殻の64個の細胞,尾状核の68個の細胞について3つの運動課題での活動の強さを定量的に測定した。被殻でも尾状核でも2/3のニュ-ロンが3つの運動モ-ドのいづれかで強く活動するが他のモ-ドでは活動しないことが解った。また,尾状核のニュ-ロンは感覚刺激に依存せず、記憶やタイミングなどの内的な情報を用いる運動で特に強く活動することが解った。
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