脊髄運動神経細胞上のnonーNMDAレセプタ-の分布
Project/Area Number |
03670068
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Juntendo Medical College of Nursing |
Principal Investigator |
小野寺 加代子 順天堂医療短期大学, 看護学科, 助教授 (00053091)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Research Abstract |
幼弱ラット脊髄の運動神経細胞に細胞内電極から蛍光色素を注入すると、蛍光顕微鏡下で細胞の形状を観察できる。神経細胞上の局所に直視下で興奮性アミノ酸を投与してアミノ酸レセプタ-のサブタイプレセプトタ-の分布を調べた。アミノ酸を2ー5msec投与した時のアミノ酸電位の持続時間はグルタミン酸(Glu)が100ー200msecに対し、NMDA,カイニン酸(KA)はその数倍、キスカル酸(QA)10倍以上の長い時間経過を待つ。細胞体と樹状突起部ではアミノ酸によって感度が異なり、GluやQAに対しては細胞のどこででも高感度で応答が得られるが、KAやNMDAに対する応答は樹状突起上では、細胞体に比べて感度が低く、KAやNMDAレセプタ-の密度は一般的に樹状突起部では低いと考えられる。しかし、樹状突起上を詳しく調べてみると、かなりの確率で、NMDAやKAに対して高感度の場所を見つけることができるので、これらのサブタイプレセプタ-の分布は一個の神経細胞上でも一様ではないといえる。QA応答には速い反応と遅い反応があり、細胞内にEGTAを注入すると遅い反応は消失するので細胞内のカルシュウムが関与している反応と考えられる。樹状突起では一般的に遅いQA反応が顕著で、その持続時間も長い。しかし、この遅いキスカル酸電位の持続時間は、NMDAやKAに高い感度を示す場所では比較的短く、QAが細胞体に与えられた時のQA電位と似ている。このような所でのQA電位はAPVで一部減少する。このことは、NMDAレセプタ-の密度が高いところでは、QAはNMDAレセプタ-をも活性化するといえる。AMPA応答はQA応答が得られるところでは現れるが、QA応答と比べて時間経過がはやくCNQXで消失する。一方、QA電位はCNQXにより顕著に減少するが、最後に非常に遅い電位が残るので、この部分がmetabotropicなレセプタ-に関与しているのかもしれない。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)