造血幹細胞の分化増殖における抑制因子と増殖因子間の遺伝子発現制御機構
Project/Area Number |
03670127
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
野見山 尚之 熊本大学, 医学部, 講師 (00156225)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | サイトカイン / LD78 / 炎症 / 細胞増殖 / 発現調節 / GMーCSF / 転写因子 / Ihー3 |
Research Abstract |
ヒト・サイトカインLD78はIL‐8等を含む細胞増殖や炎症に関与したス-パ-ファミリ-の一員である。我々はLD78の3種の遺伝子を単離し、その構造を明らかにしているが、この内の一つα遺伝子のプロモ-タ-中の発現誘導を抑制する領域(ICK‐1)について白血病細胞株K562及びJurkatを用いて解析した。まずsite‐directedmutantsを用いた解析により、この領域にはpositive及びnegativeに働く2つの転写因子がオ-バ-ラップして結合することを見い出した。ゲルシフトアッセイでのコンペティション実験により、positiveに働く因子はGM‐CSF遺伝子プロモ-タ-中のCLEO領域に結合する因子と同じものと考えられ、またnegativeに働く因子はIL‐3遺伝子プロモ-タ中の発現を阻害する配列に結合する因子NIPと同一のものと考えられた。また両因子ともα遺伝子プロモ-タ-のICK‐1領域に対してのアフィニティ-は低かったが、少なくともpositiveな因子は発現誘導に重要な役割をしていた。次にゲルシフトアッセイやDNaselフットプリンティングによりタイムコ-スを調べると、両因子とも刺激前及び刺激後でも存在し、移動度や量的に顕著な変化はなかった。しかしこのICK‐1領域のオリゴマ-を用いた解析から、このpositiveに働く因くは無刺激後では活性はなく、刺激後に何らかの修飾を受けるものと考えられた。またnegativeな因子はpositiveな因子の結合を拮抗的に阻害するだけではなく、他の部位に結合するpositiveな因子の活性をも阻害することが示唆された。以上の結果から、これら両因子の量比によってLD78 mRNAのレベルがコントロ-ルされていると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)