Project/Area Number |
03670153
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human pathology
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中里 洋一 群馬大学, 医学部, 教授 (10106908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 修 群馬大学, 医学部, 助手 (80196477)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 脊髄小脳変性症 / オリゴデンドログリア / チュブリン / クリスタリン / コビキチン / 微小管 |
Research Abstract |
脊髄小脳変性症の中核をなすオリ-ブ核・橋・小脳萎縮症(OPCA)における微小管蛋白の変性した構造物(oligodendroglial microtubular tangle,OMT)の形態学的検索をおこない、以下の成績が得られた。 群馬大学病理学教室および関連施設よりOPCAの剖検例の収集を行い、現在12例が得られた。いずれも過去に剖検された症例であり、研究期間中に新規に剖検された症例はない。検索症例12例中、家族性OPCA2例を除く10例にOMTの出現がみられた。OMTは散発性OPCAに特異的と考えられる。OMTは中枢神経系の変性病変部位に関連して出現しており、神経核領域と線維路の両者に出現していた。OMTを保有する細胞の同定のため免疫組織化学的検索を行ったが、OMT陽性細胞はLNー1陰性、LNー5陰性であり、これらが陽性であるmicroglia,macrophageとは異なったグリアのなかに存在することが明らかとなった。また、αBーcrystallinの抗体による免疫組織化学では、OMT保有細胞にはcrystallinの抗原性が細胞質内に局存しており、この細胞とoligodendrogliaとの関連性が強く示唆された。OMT自体は今回収集した症例においても免疫組織化学的にはtubulinとubiquitinの抗原性を保持していることが証明された。さらに、OMT本体内にもαBーcrystallinの抗原性が免疫組織化学的に証明された。 透過型電子顕微鏡を用いたOMTの微細構造の検索では、OMTの構成にかかわる成分は、20〜30nmの細管要素、細管を取り巻く架状物質のほかに、30〜50nm径の電子密度の高い顆粒状物質があることが明らかになった。 なお、本研究期間中には新規のOPCA剖検例はなく、当初計画した新鮮脳組織からの抗原抽出、モノクロ-ナル抗体作成、生化学的分析等は行えなかった。
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