原発性線毛機能不全症の病理学的研究1.WICーHyd系ラットを用いた比較病理学的検討
Project/Area Number |
03670162
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human pathology
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鳥潟 親雄 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (70051563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古藤 正男 中外製薬株社会社, 研究開発部, 研究主査
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 原発性線毛機能不全症 / Immotile cilia syndrome / Kartagener's syndrome / 呼吸器線毛 / Dynein arm / 疾患モデルラット |
Research Abstract |
原発性線毛機能不全症は先天的原因による線毛運動の障害に起因する疾患群で、呼吸器では繰り返す感染のために気管支拡張症等の重篤な病気を合併する比較的稀な疾患である。Kartagener症候群に代表されるim motile cilia症候群はdynein armの欠落による線毛運動の消失が特徴的であり、内臓逆位を合併することが多く遺伝性が指摘されている。日本人症例も50例程の報告がある。 WICーHyd系ラットはWistarーImamichi系ラットより分離された自然発症水頭症ラットで、〓は重症で成熟前に全例死亡するが、その半数に内臓逆位を合併している。〓の軽症例は成熟し、健常〓との間に繁殖が可能である。出生動物の性比は1:1で、その約1/3に水頭症が発症する。以上の事実は遺伝子レベルの解明はなされていないが、人の症例よりもより強く遺伝性疾患であることを示している。 重症〓例の呼吸器線毛は動いておらず、電子顕微鏡観察では、内外両方のdynein armが欠損しており、人の症例と極めてよく似ている。タンニン酸加固定を施し鶴察すると外側armの部位に小さな突出物を認め、この所見も人の症例と同じである。外側armには、更に細かな5ヶの構造が知られており、従来armの欠損として一括されている異常も、更に細かな異常に分類されるものと思われる。Dynein分子のarm内での局在の解明やarmを構成する蛋白質の同定、局在などこの動物系を用いることにより、更に詳しい線毛の微細構造と機能との関係が明らかにできるものと思われる。更にdynein遺伝子の異常の確認や遺伝形式の解明などにも利用できると思われ、WICーHyd系ラットの原発性線毛機能不全症モデル動物としては有用性は確かめられたと考える。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)