モデル動物を用いた糸球体メサンギウム細胞増殖機構の分子病理学的研究
Project/Area Number |
03670169
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 治義 京都大学, 医学部, 助教授 (80135574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 俊秀 京都大学, 医学部, 助手 (00235623)
武曽 恵理 京都大学, 医学部, 助手 (10190852)
武内 英二 京都大学, 医学部, 助手 (80179605)
杉山 武敏 京都大学, 医学部, 教授 (20030851)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 糸球体腎炎 / メサンギウム細胞 / 細胞増殖因子 / 糸球体肥大 / 血小板由来成長因子 / PDGF / 腎炎モデル動物 |
Research Abstract |
目的 糸球体メサンギウム細胞の増殖機構を解析するために、糸球体過剰濾過ラットを作成し、血小板由来成長因子(PDGF)の関与を、肥大糸球体におけるPDGFーmRNAの発現と生成ペプチドとしての発現について検討した。 方法 SDラットの一側腎を摘出し、対側3/4に梗塞病変を作成した。手術後、腎の光顕像は7日、2週及び3週間で、PDGFは2、3、及び7日目で検討した。PDGFーペプチドの検出は蛍光抗体法により行い、PDGFーAおよびPDGFーBのmRNAの検出はオリゴヌクレオチド・プロ-ブを用いたin situ hybridizationにより行った。 結果 1.光顕所見:術後1週で、糸球体サイズの増大と核の増加を呈する糸球体肥大の所見が見られた。2週では、糸球体肥大は軽快し、過剰濾過の影響と考えられる係蹄腔の拡大が見られ、一部の糸球体ではメサンギオリ-シスが認められた。3週では糸球体硬化の進行が著明であった。尿細管は、1週より近位尿細管と集合管の肥大と増殖が進行し3週では、尿細管円柱、集合管細胞の増生がめだった。2.蛍光抗体法所見:2、3、および7日の腎糸球体の一部でPDGFがメサンギウス領域に陽性であった。尿細管は、7日的の皮質集合管の細胞質が陽性であった。正常ラットでは陽性所見は見られなかった。3.in situ hybridization:PDGFーmRNAは、3日までは糸球体、尿細管(集合管部)ともに陽性であったが、7日では集合管のみで陽性であり、糸球体は陰性であった。いずれでもPDGFーAとPDGFーBの分布の違いは明らかでなかった。 結論と考案 部分腎摘除後の初期における糸球体肥大の成立にPDGFの関与が質唆された。PDGFが尿細管、集合管部の増殖変化の要因である可能性も示唆された。今後、PDGFとともTGFーβの発現調節について研究を進めるとともに、自然発症型硬化性糸球体腎炎のモデルマウス(RF/J系)におけるPDGFおよびTGFーβについて検討したい。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)