Project/Area Number |
03670180
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
三杉 和章 横浜市立大学, 医学部, 教授 (50106332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
口野 嘉幸 国立がんセンター研究所, 部長 (60124418)
大秋 美治 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (30128590)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 腎芽腫 / 腎芽腫抑制遺伝子(WTー1) / ラット腎芽腫 / ラットWTー1 / 経胎盤発癌 / Nーethynitrosourea(ENU) |
Research Abstract |
最近、ヒト腎芽腫抑制遺伝子の候補として、ヒト正常11番染色体短腕上にコ-ドされるWTー1遺伝子がクロ-ニングされた。本遺伝子は4個のzinc finger領域を有するDNA結合蛋白をコ-ドしており、転写制御因子として機能していると考えられている。 我々はこれまでに報告してきた、経胎盤的にNーethylnitrosourea(以下ENU)を妊娠ラットに投与する事により得られたラット腎芽腫におけるWTー1遺伝子の異常を検討し、本遺伝子の実験発癌における役割を明らかにするため、zinc finger領域の塩基配列をprimerとしてラット胎児腎cDNAを鋳型としたpolymerase chain reactionにより、ヒトWTー1に相当するラットcDNAをクロ-ニングし得た。 このcDNAは1400塩基対より成り、N末端側にzinc finger領域を有するタンパク質をコ-ドしていた。ヒトWTー1遺伝子との相同性は97%と高く、ヒトWTー1と同様、脾、精巣、胎児腎などに高い発現をみた。 ENUを用いて発生させたラット腎芽腫においては、本遺伝子の発現は正常胎児腎に比して亢進していた。一方、ラット腎芽腫においてはNーmyc,インシュリン様成長因子II(IGFーII)といったヒト腎芽腫において発現が亢進している遺伝子群の発現も上昇がみられ、ヒト腎芽腫と同様の発生機序が推定されるため、本腫瘍においてはラットWTー1の転写制御の対照となる遺伝子に異常が生じている可能性が考えられた。更に、ラット腎芽腫培養細胞株ENUーTー1においてはWTー1の発現は完全に消失していたが、この現象は細胞株樹立の過程で生じたものであり、腫瘍発生の直接の要因でないと考えられた。現在、ラットにおけるWTー1による転写調節を受ける遺伝子と腫瘍における異常を検索中である。
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