リコンビナント水痘生ワクチンによって発現されたHBs抗原の解析
Project/Area Number |
03670233
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Virology
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
白木 公康 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (50135745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 宏 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (30018692)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | リコンビナント水痘生ワクチン / HBs抗原の糖鎖構造 / Oー型糖鎖 / Nー型糖鎖 / HBs抗原 |
Research Abstract |
水痘生ワクチンは、免疫不全状態にある白血病児に対しても、安全に使用できるような高度弱毒生ワクチンとして開発され、世界中で使用されています。この水痘生ワクチンウイルス遺伝子にHBs抗原遺伝子を組み込んで、リコンビナント水痘生ワクチンを開発した。 この研究では、ウイルス感染細胞内でのHBs抗原の合成・細胞外への分泌過程をpulseーchase labeling実験、糖代謝阻害剤(TunicamycinとMonensin)、種々のglycosidase(Nーglycosidase,Oーglycosidase,neuraminidase)処理により明らかにした。HBs抗原は、26Kの蛋白として合成されとNーグリコシド結合によるNー型糖鎖(High mannose型)の修飾を受け30Kの糖蛋白となる。これらの蛋白間で、disulfide(SーS)結合により26Kー26K・26Kー30K・30Kー30Kの3種のDimerとして、Golgi装置でそれぞれのsubunitにOーグリコシド結合によりOー型糖鎖が付加される。また、Nー型糖鎖は、High mannose型糖鎖からComplex型糖鎖へと変換される。こられの修飾によって、26K蛋白は30K蛋白に、30K蛋白は35K蛋白となり、30Kー30K・30Kー35K・35Kー35Kの3種のdimerとなる。これらの修飾に伴いHBs抗原は、細胞外へHBs抗原粒子として分泌される。この生合成・修飾・分泌過程は、早いものでは1時間以内であった。また、逆に、4時間後まで細胞外に分泌されないで26Kと30Kの蛋白として細胞内に検出されるHBs抗原が存在していた。Oーグリコシド結合の存在は、このHBs抗原の発現系に特異的と考えられる。 HBs抗原の糖鎖構造は、HBs抗原自身の安定性に寄与し、また、その抗原性の増強作用があることが知られており、本研究で明らかにしたHBs抗原の糖鎖による修飾は生物学的・免疫学的に非常に重要な意義を持つものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)