アクロメリン酸による選択的神経細胞死:部位選択性の発現機序
Project/Area Number |
03670430
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurology
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
郭 伸 国立精神神経センター, 神経研究所・4部, 室長 (40160981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相澤 仁志 国立精神神経センター, 神経研究所・4部, 研究員
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 神経細胞死 / 興奮性アミノ酸 / グルタミン酸受容体 / アクロメリン酸 / カイニン酸 / AMPA / 脊髄 |
Research Abstract |
アクロメリン酸を全身投与すると持続性の痙性対麻痺がラットに引き起こされ病理学的には脊髄介在ニュ-ロンの選択的変性が認められる。このような選択性はアクロメリン酸の作用する受容体の特異性による可能性を受容体結合実験で示した。本年はアクロメリン酸が生体内で作用する受容体の特異性を明らかにする目的で、カイニン酸、AMPA、アクロメリン酸を髄腔内に投与することにより生ずる神経障害の特徴を神経症状、神経病理学的な変化から調べた。 ラットに、深麻酔下に椎弓切除術(L5/6)を施し、硬膜下に微小チュ-ブを挿入した。これを微量注入ポンプにつなぎ様々な興奮性アミノ酸を脊髄クモ膜下腔に注入した。注入終了後一定の期間をおいて潅流固定し、脳・脊髄の神経病理学的検索を行った。薬物の効果は、行動上の変化、神経病理学的な変化を指標とした。 その結果、脊髄ニュ-ロンに対するアクロメリン酸の神経興奮作用は、AMPAに比べて10倍以上、カイニン酸の比べて100倍以上強力であった。また、全身投与と同様に、脊髄クモ膜下腔への直接投与によっても半永続的な痙性対麻痺と、脊髄介在ニュ-ロンに特異的な神経細胞障害を引き起こすことが明らかになり、全身投与によるアクロメリン酸の作用が直接的なものである可能性が強く示唆された。この作用はAMPA、カイニン酸と同様非NMDA受容体アンタゴニストにより抑制されることから非NMDA受容体を介した作用であることが示された。しかしながら、脊髄ニュ-ロンの選択的変性はカイニン酸やAMPAには認められず、アクロメリン酸の作用する受容体の特異性を支持する結果を得た。in vivoでも強力な神経興奮毒性作用を持つアクロメリン酸はグルタミン酸受容体サブタイプの研究における重要な道具であると考えられる。慢性投与による影響は検索中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)