Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
肥大型心筋症9例,拡張型心筋症5例について空腹時および糖負荷時の ^<18>FDG・PETを施行し,その病態を検討した。このさい,糖尿病,冠動脈疾患の合併例は対象から除外した。使用装置はHEADTOMEーIII(島津)である。検査はFDG静注後50分間にわたってdynamicscanを行い,部分容積効果を無視できる2cm以上の肥大部については心筋糖攝取率を測定した。また,できるだけ近い時点で13NH_3 ^1PETを行い心筋血流を検討するとともに肥大部についてはFirstーpass法による局所心筋血流量の測定を行った。 肥大型心筋症では肥大の著明な中隔を中心に空腹時FDGの取り込みの高いものが5例あった。これらの例では ^<13>NH_3 _1PETにより中隔の血流低下のないところから,脂肪酸β酸化障害に代表される糖代謝の亢進が血流低下に先行して存在するものと考えられた。一方,FDGの集積が空腹時が低く,糖負荷により高くなる正常パタ-ンが2例,空腹時,糖負荷時いずれもFDG取込みが低い虚血ないし線維化パタ-ンを示すものが2例あった。以上より肥大型心筋症では血流低下に先行する一次的心筋代謝障害(糖代謝はむしろ亢進)と虚血による二次的な心筋糖代謝低下が存在することが推定された。 拡張型心筋症では左室は拡大し,左室壁は空腹時に不均一なFDG集積増加,糖負荷時には不均一なFDG集積低下を示した。この異常病変は左室全体にわたって出現し,虚血性心疾患でみられる冠動脈支配に一致する限荷性病変とは異っており,太い冠動脈板の閉寒・狭容に基因する虚血による代謝異常を否定できた。拡張型心筋症では ^<13>NH_3の像でも同様に左室に不均一な化集積が認められたが,部分容積効果のため ^<13>NH_3とFDG関係は明かにすることができなかった。 以上の結果は心筋症の心筋に糖代謝異学が存在することを示す。
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