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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
アトピ-性皮膚炎(AD)患者,湿疹(ED)患者,および健常人の末梢血よりFicoll比重遠沈法でリンパ球を採取し,interleukin(IL)ー2,ILー4,phytohemagglutinin(PHA)と培養し,さらにこれらにprostaglandin E_2(PGE_2),recombinant interferon(rIFN)ーα,rIFNーγを単独あるいは組み合わせて培養した後,培養細胞を抗FcεRII抗体(H107)と抗T、B細胞抗体で二重染色を行い,Flowcytometryを用いて解析した.ILー4添加によりAD、ED、健常人のいずれも無添加群に比して有意に強くFcεRII^+細胞が誘導された.FcεRII^+B細胞の特異的誘導率は,AD重症群では他群に比べて有意に高かった.ILー4、PHAは,いずれの群にもFcεRII^+細胞(Tε細胞)を誘導したが,特異的誘導率は各群で差がなかった.ILー2単独ではT細胞上へのFcεRII発現は認められなかったが,PHAで刺激後にILー2を添加すると,PHA単独群に比し有意に高値のTε細胞が誘導された.Tε細胞のサブセットについては,いずれの群においてもCD4^+Tε細胞とCD8^+Tε細胞の両方が出現したが,AD患者では他群に比べてCD8^+Tε細胞の出現が有意に高く認められた.ILー4と同時にPGE_2、rINFーα、rIFNーγを添加したところ,rIFNーγのみがAD患者および非AD患者群においてTε細胞を含むFcεRII^+細胞の誘導を抑制した.以上の結果から,FcεRII^+リンパ球はPHAなどのマイトゲンやインタ-ロイキン,特にILー4により誘導されることがわかった.Tε細胞はin vitroにおいては,AD患者のみならず健常人においてもPHA、ILー4により誘導された.しかし,Tε細胞はED,健常人の末梢血中,またED皮疹部にはほとんど出現していない.このことからAD患者ではin vitroでTε細胞が出現しやすい状態にあると考えられた.AD患者ではCD8^+Tε細胞が有意に誘導される傾向にあったことは,ADの病態にこの細胞群が何らかの役割を果たしていると考えられた.
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