Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
本研究では,コンピュ-タ・シミュレ-ション技法により,癌温熱治療時の血流量とその温度依存特性を逆推定すると同時に温度分布解析するための手法および加温治療のための高速シミュレ-タ-の開発を目指した.以下に主な成果を示す. 1.血流量とその温度依存特性の逆推定と体内温度分布推定アルゴリズムの開発:まず,加温時の体内温度監視用として計測している時系列温度デ-タを利用して,逐次反復法によって組織の血流量とその温度依存特性を逆推定するためのアルゴリズムを考案した.また,コンピュ-タ・シミュレ-ション手法を用いて本アルゴリズムの検討を行ない,数回の反復計算により誤差5%以内で血流量推定できる可能性のあることを確認した.次に,本アルゴリズムを基に,既に開発済みの高速2次元熱伝導解析プログラムを改良し,体内温度分布をセルフコンシステントに推定するための手法を開発した. 2.本手法の臨床的評価および高速シミュレ-タ-の開発:上述の体内温度分布推定アルゴリズムを基に,本補助金により導入したIBM高速パワ-ステ-ション320システム(SPECmark値:25.8)を用いて温度分布推定用高速シミュレ-タ-を開発した.そしで,我々のグル-プと共同研究を進めている癌研究会付属病院放射線科および新潟大学脳研究所脳神経科グル-プの協力を得て本シミュレ-タ-の臨床評価を行った.そして,脳腫瘍に対して,本手法による推定血流量とSPECT装置による実測血流量とがよく一致し,また推定温度と実測温度とが誤差0.5℃程度で一致することが確認できた. 以上のことから,本研究目的をほぼ達成することができ,効果的かつ安全な電磁波温熱療法の実施に対して大きく奇与できたものと確信している.なお,本研究の成果は,論文2編,国際会議2件,口頭発表5件にまとめられている.
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