精神分裂病のマ-カ-としての探索的眼球運動と局所脳血流の関連についての研究
Project/Area Number |
03670559
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Psychiatric science
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小島 卓也 東京医科歯科大学, 医学部・神経精神医学教室, 講師 (40014203)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅原 功 東京医科歯科大学, 医学部・放射線科学教室, 助手 (20134695)
大久保 善朗 東京医科歯科大学, 医学部・神経精神医学教室, 助手 (20213663)
松浦 雅人 東京医科歯科大学, 医学部・神経精神医学教室, 助手 (60134673)
渥美 義賢 東京医科歯科大学, 医学部・神経精神医学教室, 助手 (90143552)
島薗 安雄 (財)神経研究所, 所長 (10013806)
|
Project Period (FY) |
1991
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | 精神分裂病 / 探索的眼球運動 / 局所脳血流 / アイマ-ク・レコ-ダ- / SPECT |
Research Abstract |
これまで我々は、幾何学図形を呈示している際の注視点の動きを分析し、特に対人場面での探索的眼球運動、すなわち『反応的探索スコア』が精神分裂病にもっとも特徴的な指標であることを報告してきた。今回は、同じ視覚的課題に対して、探索的な眼球運動が行われている最中の局所脳血流を測定し、分裂病の脳機能障害の実態を明らかにすることを目的として本研究を実施した。対象はDSMーIIIーRにより「慢性精神分裂病」と診断された比較的症状の固定した分裂病患者6名(平均年齢43.5歳)と正常対照者4名(25.8歳)で、いずれも右利きの者を選んだ。分裂病群の内訳は、開放病棟入院中の者が5名、外来通院中の者が一名で、全員抗精神病薬を服用中である。また病型では、残遺型が5名、妄想型が1名で、検査時の精神症状はSANS(Scale for the Assessment of Negative Symptoms)の総合得点の平均が76.5であった。方法は、これらの被検者に横S字型図形を呈示して比較・照合課題を行っているときの探索的眼球運動をアイマ-ク・レコ-ダ-を用いて記録し、これと同時に99mTcーHMPAOによるSPECT(Single Photon Emission Tomographyを用いて局所脳血流を測定した。結果については、局所脳血流のうち、まず左右の比較では、正常者は左半球に比し右半球の相対的な血流の優位を示す者が多かったのに対して、分裂病患者では逆に左半球で多い例や、両側で差のない者が多くなっていた。このように左右優位性の面で、分裂病患者が正常者と異なる傾向がみられた。つぎに前後の比較では、正常者に比ベて分裂病患者では頭部前半部の相対的な血流低下(いわゆる“hypofrontality")の傾向が認められた。また分裂病患者において、頭部前半部の血流の低下は、眼球運動の指標のうちの『再認時の探索スコア』およびSANSの総合得点と関連する可能性が示唆された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)