再潅流性肺血管障害発生初期における活性酸素の作用と白血球系細胞の役割
Project/Area Number |
03670663
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thoracic surgery
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
蘇原 泰則 自治医科大学, 医学部, 助教授 (60114097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 史雄 自治医科大学, 医学部, 助手 (60200309)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 肺微小循環 / 生体顕微鏡観察 / 再潅流性肺血管障害 / 顆粒白血球 / 活性酸素 / SOD / 血管傷害物質 / 臓器移植 |
Research Abstract |
研究目的:体外循環後の肺臓や心臓、冠動脈再建後の心臓、そして臓器移植後の心臓、肺臓、腎臓、肝臓などで、再潅流に起因すると思われる様々の血管傷害が発生し大きな問題となっている。本研究では、我々の開発した生体肺微小循環観察法を用い、再潅流性肺血管障害への活性酵素と白血球の関与について検討を加えた。 研究方法:体重200ー300gのwistar系ラットを用い、左主肺動脈に血流遮断と開放の可能なタ-ニケイを巻き付け、左肺横隔膜部を我々の開発した生体肺微小循環観察法で観察した。次に2群の実験を行った。 (1)再潅流性肺血管障害群;まず肺微小血管での白血球付着数と血漿蛋白浸出状況を観察する。次に生理的食塩水を静注し20分に渡って左肺動脈血流を遮断する。遮断解除後10分と30分に肺微小血管での白血球付着数と血漿蛋白の浸出を観察した。(2)SOD投与再潅流群;生理的食塩水の代わりsuperoxide dismutaseを1000単位投与し、あとは再潅流性肺血管障害群と同様の実験を行った。 研究成績と結論:再潅流性肺血管障害群では、再潅流後時間経過に従い肺毛細血管への白血球付着数が増加し、肺細静脈からの血漿給白浸出が増加した。これに反し、SOD投与再潅流群では白血球付着はみられず、血漿蛋白の浸出もみられなかった。以上より再潅流性肺血管障害では、まず再潅流により肺微小血管に活性酵素が作られ、血管内皮が傷害され白血球の付着しやすい状況が生まれる。この際、白血球は血流が遅く血管径の細い肺毛細血管にまず付着する。付着した白血球は血管内皮を傷害し、血管傷害物質を産成放出させ、下流で血管内皮接合部の最も脆弱な肺細剤脈を傷害し血漿蛋白の浸出を起こさせる。これが再潅流性肺血管障害の発生機序であろうと考えた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)