Research Abstract |
[目的]X線解剖の基礎である正常像および病変の単純X線写真で,解剖学的部位が,後前,側面,Waters,軸位撮影などの各投影でどのように現れるか,撮影条件によって写真濃度やコントラストがどのように変わるかを体験的に学習させる教育システムを開発することを目的とした. [システムの概要]課題・回答提示用ビデオと,それを制御するパ-ソナルコンピュ-タ,および教材を提供する3次元画像表示ワ-クステ-ションからなる(以下それぞれビデオ,パソコン,3DWSと呼ぶ).学習者に対する課題や正解の提示はパソコンでコントロ-ルされたランダムアクセス可能な光ディスクビデオ装置で行った.ビデオ画面には対話的な選択支【メニュ-】,【初めから】,【次に進む】,【前に戻る】,【終わる】などとともに『××撮影の投撮を行いなさい』『正しいX線像をビデオに示します』『ビデオの像と異なるときには投影方向を調節しなさい』『コントラストと濃度を変えなさい』などの指示や正解が提示される.学習材料としては頭頚部人骨埋没ファントムのCT多層撮影による頭部全体の3次元CTデ-タを3DWSに読み込み,ビデオの指示に従って3DWSをマウスで操作して頭部の外観や骨を任意方向から立体的に眺めて学習する.また3DWSでは表示する組織のCT値を任意に変えることができるので,頭部の模型に皮膚面を透明にして骨の表面を見たり,骨を任意の断面で切って骨の内部を見たりでき,その立体像を観察している視点からのX線像がマウスのボタンを押すだけで即座に得ることができる. [今後の課題]パソコン上でCT像を編集するプログラムを開発し,顎骨の一部のCT値を変え透過性と不透過性の病変を作成してみた.嚢胞や繊維骨性病変は境界明瞭なものも不明瞭なものをつくることができたが,骨膨隆をともなう病変の作成は困難であった.これらの教材を得るために実際の患者についてのデ-タを利用する方法を現在検討している.
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