アデノシンによるTSH情報伝達系の切り替え機構とその生理的意義
Project/Area Number |
03671129
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
正 公枝 群馬大学, 内分泌研究所, 教務員 (40201561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡島 史和 群馬大学, 内分泌研究所, 助教授 (30142748)
近藤 洋一 群馬大学, 内分泌研究所, 教授 (70008598)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | FRTLー5 / 百日咳毒素感受性G蛋白質 / 情報伝達 / カルシウムイオン / アデノシン / TSH / アデニル酸シクラ-ゼ / ホスホリパ-ゼC |
Research Abstract |
甲状腺株細胞FRTLー5にアデノシンレセプタ-が存在すること、その活性化は百日咳毒素(PTX)感受性G蛋白質を介し、他のアゴニストによるアデニル酸シクラ-ゼの促進によるcAMP情報伝達系(A系)の活性化を抑制し、ホスホリパ-ゼC活性化に始まるリン脂質ーCa^<2+>情報伝達系(P系)の活性化を著しく増強することを発見した。一方、初歩的実験ながら、アデノシンがTSHによるDNA合成促進効果を抑制するにもかかわらず、ヨウ素イオンの放出は著しく促進するとの結果を得た。本研究ではこのようなアデノシンによるTSH作用切り替え機構とその生理的意味を明らかにすることを試みた。ラット株細胞FRTLー5におけるA系活性化の指標として、cAMPの蓄積及びDNA合成をP系活性化の指標として、細胞内Ca^<2+>濃度上昇、イノシト-ルリン酸の生成促進及びヨウ素イオン放出の変動を対照群及びPTX処理群について検討した。100nMPIA(アデノシンの誘導体)の添加はTSH依存性cAMP蓄積及びDNA合成を阻害し、イノシト-ルリン酸生成、細胞内Ca^<2+>濃度上昇及びヨウ素イオン放出を著しく増強した。これらのPIA効果はともに細胞のPTX処理により消失した。TSH依存性cAMP蓄積はむしろ増強された。次に0.5U/mlのアデノシンデアミナ-ゼを添加して内在性アデノシンの作用を抑えるとTSH依存性cAMP蓄積がPTX処理後と同程度に増加した。このことは外因性のアデノシンと同様に内在性アデノシンがオ-トクライン因子として作用している可能性を示唆している。以上のことよりFRTLー5細胞においてアデノシンがPTX感受性G蛋白質を介してTSHシグナルをA系からP系へ切り替える働きを持っている可能性が示された。更にこのようなモジュレ-ションが同一の細胞内で起こる現象なのか検討中である。またTSH様作用を持つグレ-ブス病患者血清等の作用に対するアデノシンの影響についても予備的な検討を始めた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)