二次性副甲状腺機能亢進病態の分子レベルでの解析ーカルシウムおよびビタミンD代謝物による遺伝子発現調節
Project/Area Number |
03671133
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
五十嵐 徹也 東京大学, 医学部(分), 助教授 (00134601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 敏夫 東京大学, 医学部(分), 医員
鄭 雄一 東京大学, 医学部, 医員
岡崎 具樹 東京大学, 保健センター, 講師 (60203973)
深川 雅史 東京大学, 医学部・(病), 助手 (00211516)
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Project Period (FY) |
1991 – 1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1992: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1991: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 副甲状腺ホルモン / 慢性腎不全 / カルシウム / ビタミンD / 遺伝子発現調節 |
Research Abstract |
これまでの数年にわたる、ラットの潅流実験による血中Ca値と副甲状腺内PTH mRNAレベルとの関係に関する研究(J.Clin.lnvest.83:1053-1056,1989)、モデルラットを用いた慢性腎不全の病態に関する研究(Kidney lnt.39:874-881,1991)、などによって臨床的あるいは生理学的な副甲状腺機能の調節についての基礎的な知見が明らかとなった。これらの結果に基づき、その調節の細胞内メカニズムおよび新たに分かってきた生理的な意義について目覚ましい結果を得ることができた(A New Mode for Ca^<2+> Regulation.pp.129-143)。のin vitro基礎実験系:初年度に同定されたCa依存性サイレンサー機能を有するDNA配列(nCaRE、J Biol Chem 266:21903-21910,1991)の断片を用いたSouthwestern法によるscreeningによって、培養CHO細胞より作成したλZAPベクター系のcDNAライブラリーよりnCaREに特異能ら結合する核内転写調節因子の候補クローンを3個単離した(内分泌学の進歩VOL.10,pp.102-120)。これらcDNAの塩基配列を行ったところ、オープンリーディングフレームが確認できる1クローンが、すでに同定されているDNA修復酵素の1種であることが判明した。興味あることに、HAP1あるいはRef-1と呼ばれるこの酵素は蛋白のdisulfide結合部位を環元する活性をも有しており、その作用を介していくつかの転写調節核蛋白の機能が調節されていることが報告されている。われわれは発現ベクターに組み込まれたそのcDNA遺伝子を大腸菌あるいは各種培養細胞内にトランスフェクトさせ、その細胞核抽出液を用いたGel retardation assay、Southwestern法によりこのクローンされた蛋白が核中に存在し、nCaREに結合することを証明した(投稿中、ASBMR,1992)。さらに、nCaREを接続したCATレポータープラスミドをcotransfectionすることにより、この発現クローン蛋白がCa依存性の転写抑制を引き起こしていることをCATアッセイにより確認した(投稿中、ASBMR,1992)。in vivo 実験系:われわれは、nCaRE配列に相同のエレメントを心房性ナトリウム利尿ホルモン(ANP)遺伝子の上流に見い出していたので(J Clin lnvest 89:1268-1273,1992)、この生理的な意義を検討するためにラット潅流実験系で高Ca 血症病態を作成するとANP mRNAレベルの著明な抑制が観察された。この観察より、nCaREは単純にCaによる調節にのみ関係しているのではない可能性が示され、ヴァゾプレッシンの遺伝子上にも同じエレメントが見い出されることから、浸透圧、張力といった細胞の形態を変化させるような物理的刺激と関連しているのではないかという仮設に至った。今後この点をさらに発展させていきたいと計画している。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)