幹細胞生物学の立場からみた血球の分化と増殖に関する基礎的並びに臨床的研究
Project/Area Number |
03671185
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 弥太郎 京都大学, 医学部, 講師 (80064525)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小熊 茂 京都大学, 医学部, 助手 (00169260)
笹田 昌孝 京都大学, 医療短期大学, 教授 (30144364)
山岸 司久 滋賀大学, 保健管理センター, 教授 (50026829)
伊藤 和彦 京都大学, 医学部, 講師 (50034640)
|
Project Period (FY) |
1991 – 1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | 血球の分化と増殖 / 造血幹細胞 / サイトカイン / 造血因子 / 骨髄異形成症候群 / Hサブユニットフェリチン / spoptosis / 無効造血 |
Research Abstract |
1.新たに樹立した造血因子産生株NYMー1の産生因子の同定:甲状腺癌由来のNYMー1細胞株は、ヌ-ドマウスでの腫瘍形成と好中球増加、ヒト骨髄培養でのコロニ-形成促進を呈した。ノザン解析、生物活性の検討から、さらにNYNー1株はGー、GMーCSF、ILー6のみならず、ILー1β、ILーIα、ILーIIなど、さまざまのサイトカインを構成的に産生していることが確認された。 2.骨髄異形成症候群(MDS)における造血抑制機序:MDSでは異常なMDSクロ-ンの出現とその増殖に伴って、正常クロ-ンの造血が抑制されている。この正常造血の抑制は、MDS由来の2種類のマクロファ-ジの産生する液性因子によることを証明した。液性因子としては抗体中和試験・生物活性の測定やウエスタン解析によって、Hサブユニットの酸性フェリチンやPGE_2が主体であり、これらは正常人のGMーコロニ-を抑制するが、MDSの異常クロ-ンは抑制しなかった。またこれらの正常造血抑制の程度は、MDSの病勢進行ともよく相関した。 3.株化細胞を用いたMDS血球の増殖と分化の異常:MDS由来の骨髄性白血病細胞株P39は、分化誘導剤や代謝阻害剤の添加で高度のapoptosisを呈する。その程度は、HL60、U937、K562、KG1などの既知のヒト白血病細胞よりも著しく、代謝阻害剤やA23187などのapoptosis誘起刺激の農度や作用時間に比例して増大する。ビタミンD_3の種々の同族体と短時間の前〓置を行うと、apoptosisの増強が起こるので、apoposisは少なくとも一部は細胞分化と関連していると思われる。なおP39はMDS由来の細胞株であり、MDSでの無効造血すなわち骨髄内細胞死は、apoptosisによる血球の早期死滅の可能性が示唆される。
|
Report
(1 results)
Research Products
(8 results)