Project/Area Number |
03671186
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金倉 譲 大阪大学, 医学部, 助手 (20177489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 良男 大阪大学, 医学部, 講師 (30158852)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | チロシンキナ-ゼ / チロシンフォスファタ-ゼ / GMーCSF / ILー3 / Cーkit / 急性骨髄性白血病 / 血液幹細胞 / Rafー1 |
Research Abstract |
ヒト急性巨核球性白血病細胞より樹立されたM07細胞は、GMーCSFやILー3依存性に増殖する細胞株である。GMーCSFあるいはILー3でM07細胞を刺激すると、細胞質内蛋白(pー93やp70等)のチロシンリン酸化が認められた。チロシンフォスファタ-ゼ阻害剤は、これらの分子のチロシンリン酸化を増強し、しかもM07細胞の増殖も増強した。一方、プロテインキナ-ゼC活性化剤であるフォルボ-ルエステル(PMA)は、細胞内基質であるp93のチロシンリン酸化を抑制しM07細胞のGMーCSFによる増殖も抑制した。GMーCSFやILー3は上記チロシンキナ-ゼを活性化するばかりでなく、セリン・スレオニンキナ-ゼの一種であるRafー1癌原遺伝子産物のリン酸化ならびに活性化を引き起こした。一方、マウス線維芽細胞(Balb/3T3)はM07細胞の増殖を促したが、この増殖刺激活性は線維芽細胞の培養上清中(FCM)にも検出された。このFCMによるM07細胞の増殖は、チロシンキナ-ゼ阻害剤ゼニスチンにより完全に阻害され、FCMによる増殖にはチロシンキナ-ゼの関与が示唆された。抗リン酸化チロシン抗体ならびに抗cーkit抗体を用いた解析により、FCMによるM07細胞の増殖にはcーkit蛋白のチロシンリン酸化と活性化が重要な役割を担っている事が明かとなった。FCMの代わりにcーkitリガンドであるstem cell factor(SCF)を用いても同様の知見が得られた。さらに、各種AML細胞を用いてcーkitの発現を検討した。AML25例(80%)にcーkitのmRNAと蛋白の発現が認められた。しかし、cーkitの発現とFAB分類あるいは病像の間に有意の相関は認められなかった。cーkit蛋白を発現している11例のAML中6例でSCFはAML細胞の増殖を促し、しかもGMーCSFとの相乗効果が認められた。また、SCF刺激前より12例中7例に軽度ではあるがcーkit蛋白のチロシンリン酸化が認められた。以上のように、血球の増殖には造血因子によるチロシンキナ-ゼ・チロシンフォスファタ-ゼの活性化が極めて重要であると考えられる。
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