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¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
すでに我々が報告したCVD炭化ケイ素の成長(1988年)とBootsmaら(1971年)に反応を伴うと考えられる成長は,高温では輸送物質の蒸気圧から計算される成長に近付く傾向を示し,表面反応律速の形で定式化された。特に,中間層を用いた2段階蒸着によって23kcal/molという小さな活性化エネルギ-を得た。内熱式の高周波加熱炉による数百nm以下のCVDーSiC膜の成長においても黒鉛ならびに(111)面から数度傾いたSi単結晶基板上にMTS(MethyleーTrichloroーSilane)を使った場合,同様に表面反応律速となることがわかった。この薄い膜で特徴的なことは,AESのよる深さ方向の組成分析から,酸素の存在が表面のみに限られることである。表面の酸素は,空気中で取り込まれると考えられ,CVDプロセスでの酸素の混入がなくなったことを示す。このことによって,厚い膜で示唆されていた表面酸素の影響がなくなることによって,成長の活性化エネルギ-が大きくなり,中間層を着けた状態で40kcal/molの値を得た。 X線低角入射法による膜の評価,およびAESとSIMSの同時分析による膜と基板の界面に対する組成分析を行った。水素とMTSの分圧比1.7で中間層を蒸着して後に同温度で分圧のみをかえて(分圧比2700)SiCの蒸着を行った。CVD膜は多結晶3CーSiCであり,中間層のある場合は結晶性の改善が見られたが,膜厚による結晶性の変化はあまり認められなかった。界面の組成分析の結果によると中間層のない黒鉛上では約100nm,Si上では約140nmの厚さにわたる組成の緩和構造が見られる。中間層の上では界面での組成の変化はわずかであるが,変化が急峻であることがわかった。
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