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¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
メチルキサントゲン酸金属錯体につき,結晶成長,相転移の追跡およびX線結晶構造解析を行い,下記の結果を得た。 1.Zn,NiおよびFe錯体の結晶成長 (1)Zn錯体Zn(S_2COCH_3)_2は,ゆっくり成長させることにより安定な単斜晶(α形)が,速めることにより準安定な斜方晶(β形)が得られた。 (2)Ni錯体Ni(S_2COCH_3)_2は,ゆっくり成長させることにより安定な単斜晶(α形)が,速めることにより準安定な三斜晶(β形)とα形との双晶が得られた。純粋な三斜晶はまだ得られていない。 (3)Fe錯体Fe(S_2COCH_3)_3は,ゆっくり成長させることにより安定な単斜晶(α形)が,速めることにより不安定な斜方晶(β形)が得られた。 2.Fe錯体結晶の相転移の追跡 不安定な斜方晶(β形)から安定な単斜晶(α形)への相転移をX線回折写真を撮影して追跡し,常温では約2日間転移するが,液体窒素の冷気で約-50℃に保つと転移しないことがわかった. 3.安定形および準安定形結晶のX線結晶構造解析 (1)Zn錯体の安定形(α形)では,2個の配位子がZn原子を架橋して2次元網目構造を形成し,準安定形(β形)では,1個の配位子が架橋し,他の1個はZn原子にキレ-ト配位して鎖状構造を形成している。 (2)Ni錯体の安定形(α形)では,2個の配位子がNi原子にキレ-ト配位して錯体分子を形成している。 (3)Fe錯体の安定形(α形)では,3個の配位子がFe原子にキレ-ト配位して錯体分子を形成している。
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