Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
運動課題として第二指指尖位置の再生運動を行わせた。この課題は運動の短期記憶と関連の深いものであるが、この結果に一側優位性が出現するかどうかを明らかにしようとしたものである。 被験者は大学男子学生(12名)、女子(12名)であった。被験者群の脳一側優位性の均一性をたかめるため、左手利きが両親,兄弟姉妹にいない被験者とした。位置の再生運動の側定には竹井機器工業社製キネマトメ-タ-を用い,実験手順は恒常誤差法によった。正中面を越えての空間知覚の測定ではしばしば空間に関する脳半球モデルに一致しない例が報告されていることから、試行は試行指の側で、正中面を越えているように指示した。試行の手順は、安静位置から基準位置へ,そして安静位置へ戻った後、基準位置の再生というものである。安静位置は腹順に接したキネマトメ-タ-上で基準線より5〜10cmのところとした。基準位置は腕の最大伸張位置までのおおよそ3/4の場所に被験者の意志で定義をさせた。実際の試行では安静位置から基準位置へ指尖を移動させ,その位置を約3秒問覚えた後,安静位置に戻させ,3秒後に,基準位置を再生させ,指尖につけたマ-カ-より再生位置と基準位置の備位距離を記録した。試行は数回の練習の後に6回行なわせた。偏位は左右、前後について記録し,それぞれの恒常誤差(CE),絶対誤差(AE),変異誤差(VE)を算出し、また左右,前後のVE値から絶対偏位距離も計算し、その平均値と標準偏差も求め,また左右差の出現がみられるかどうかを検討した。 T検定の結果は男子で,前後方向の絶対誤差,及び方向性の要因を除いた絶対偏位で右手での成績が有意に上まわった。これは空間知覚の右脳優位のモデルからは説明しえない現象であり,運動課題そのものが空間知覚よりは運動知覚に依存していたことが考えられる。
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