Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
中等度好熱性細菌,Bacillus stearothermophi llusのゲノムDNAのライブラリ-を作成し,いわゆるショットガン法によって,好熱性のプレニルトランスフェラ-ゼの大腸菌での発現の有無をスクリ-ニングすることにより,B.stearothermophi llusのファルネシルニリン酸(FPP)合成酵素遺伝子のクロ-ニングに成功した。FPP合成酵素の読み枠を含む1128bpのDNA断片の塩基配列を決定し,この酵素の一次構造を推定したところ,現在までに報告されている他のプレニルトランスフェラ-ゼにもよく保存されている,アミノ酸配列の3つのドメイン構造の存在を明確にすることができた。このFPP合成酵素をコ-ドするDNAを発現ベクタ-,pTrc 99Aでサブクロ-ニングし,酵素の多量発現系の構築に成功した。多量発現したFPP合成酵素は2回のクロマトグラフィ-により純化することができ,熱安定性が高いので,今後,プレニルトランスフェラ-ゼの酵素活性発現機構の研究を展開して行く上で,非常に有用であることが確かめられた。 Micrococcus luteusのソラネシルニリン酸合成酵素の純化に成功した。この酵素には反応生成物を酵素の活性部位から引き離して酵素反応のタ-ンオ-バ-を維持する作用を示す、高分子量のタンパク因子が存在することを明らかにした。同様な活性化因子を持つプレニルトランスフェラ-ゼは大腸菌や他の細菌由来の全E型ポリプレニルニリン酸合成酵素に共通していることがわかり,プレニルトランスフェラ-ゼの新しいグル-プの存在を証明できた。これにより,生物に広く分布するプレニルトランスフェラ-ゼは酵素反応機構上,4つの大きなグル-プに分けることが可能であることを示し,酵素活性発現機構の解明という点からも基本的な事実を立証できた。大腸菌のウンデカプレニルニリン酸合成酵素の反応を利用して,大豆葉のグリシノプレノ-ルの合成にも成功した。
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