チミン塩基損傷の広域(0.1ー300mm)作用スペクトルの研究
Project/Area Number |
03680184
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
放射線5生物学
|
Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
桧枝 光太郎 立教大学, 理学部, 教授 (20062656)
|
Project Period (FY) |
1991
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | チミン / 真空紫外線 / 軟X線 / 放射線損傷 / シンクロトロン放射 / チミン2量体 / 作用スペクトル |
Research Abstract |
チミン蒸着膜に真空中で、(1)290ー60nm(東大物性研SORーRINGBLー5)、(2)6.2nm(高エ研PF BLー12C)、(3)0.58nm(PFBLー11B)、(4)0.20nm(PFー4A)の4つの波長領域の単色光子を照射した。照射試料は復水後、HPLCで分析した。生成物の同定は、標準試料と溶出時間および吸収スペクトルが一致する事で行った。 得られた結果を要約すると以下の通りとなる。(1)290ー150nm領域の主要な生成物は遠紫外線タイプの損傷として良く知られているシクロブタン型2量体(cisーsyn)と(6ー4)光生成物の2種であった。(2)190nm以下で上記2つの生成物の量子収率は低下した。140nm以下では、電離放射線タイプの生成物である、5ーhydroxymethyluracil(5ーHMU),5ーformyluracil(5ーFMU)およびdihydrothymine(DHT、この同定についてはいまだ暫定的である)の3種が顕著となり、120nm以下ではほとんど電離放射線タイプの生成物のみとなった。(3)6.2,0.58,0.20nmの3波長の照射によっても、上記3種の電離放射線タイプの生成物が主要生成物であった。(4)対照実験としてコバルトγ線の照射実験を行い同様な結果が得られた。ただし、30℃以上で3日間照射したため、2次生成物と思われるピ-クも出現した。2つのタイプの生成物がほぼ140nmを境として入れ代わる事は、チミンの電離ポテンシャル(8.7eV,143nm)がチミン塩基損傷のタイプを決定する重要な因子である事を示唆している。さらに、短波長の光子でも、生成物が変わらなかった事は、高準位の励起、超励起、外殻電子の電離、内殻電子の励起・電離とエネルギ-吸収過程が変わっても、チミン塩基損傷生成のパタ-ンが影響されない事を示す。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)