単一筋原線維の動的構造と力学特性ー顕微操作・顕微解析による研究ー
Project/Area Number |
03680224
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
分子遺伝学・分子生理学
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
石渡 信一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10130866)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 筋原線維 / 顕微操作 / 顕微解析 / 筋収縮 / 自励振動 / 化学・力学共役 / コネクチン / ネブリン |
Research Abstract |
我々は、筋収縮系としての最小機能単位である単一筋原線維の構造変化を顕微鏡下で観察しながら、同時にその力学特性を研究することのできる顕微解析システムを作製し、SPOCと呼んでいる自励振動現象の解析や、コネクチンやネブリンなどの構造維持タンパク質の弾性的特性の解析に応用した。我々はまず、倒立位相差顕微鏡、ピエゾ素子、水圧式マイクロマニピュレ-タ-(本研究費で購入)、テレビカメラービデオーコンピュ-タ-システム、温度制御試料セルからなる顕微解析システムを用いて、筋原線維の全長を自由に制御でき(フィ-ドバック制御)、同時に構造変化を解析できる実験システムを組み上げた。これを用いて、SPOC条件下(0.12M KCl,4mM MgCl_2,10mM MOPS(pH7.0),4mM EGTA,0.2mM ATP,4mM ADP,4mM Pi,室温)での筋原線維の張力振動波形(微小ガラス針の振れを測定)や筋節長の振動波形、その波の伝播(SPOC波)を計測、画像解析した。その結果、筋原線維を伸長すると振動周期が延びること、しかし振動波形は非常に安定で、急激に筋原線維を伸長しても乱れないこと、各筋節には常に同じ荷重が加わっているはずだが、互いに位相をずらしながらほぼ同じ波形で振動すること、などが明らかになった。各筋節ごとに化学・力学共役の位相がずれている可能性がある。将来この顕微システムをさらに改良して、化学反応をも同時画像化することの意義、具体化の可能性などが、本研究を通じて見えてきた。構造維持タンパク質の力学特性については、筋原線維の静的弾性率を様々な条件、構造を用いて測定した。その結果、コネクチンが筋線維の弛緩状態での静止張力を担っていることが確認された。 また、ゲルゾリン処理によって選択的に細いフィラメントを除去した筋原線維の弾性率測定から、アクチンフィラメントの構造安定化に寄与していると予想されているネブリンの弾性率を初めて計測することができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)