蛋白質のモジュ-ル内及びモジュ-ル間相互作用と立体構造
Project/Area Number |
03680229
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物物性学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
野口 俊之 名古屋大学, 理学部, 助教授 (90172775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 薫 名古屋大学, 理学部, 助手 (20225494)
郷 通子 名古屋大学, 理学部, 教授 (70037290)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 蛋白質立体構造 / 水素結合ネットワ-ク / 疎水相互作用 / モジュ-ル |
Research Abstract |
蛋白質の立体構造はコンパクトなモジュ-ルが要素となって構成される。各モジュ-ルの立体構造が主にその内部の相互作用により決まるのかどうかを明らかにするために,X線結晶解析により明らかになっている蛋白質立体構造を解析し、モジュ-ル内及びモジュ-ル間の、水素結合、疎水相互作用の分布を調べた。次に、モジュ-ル内のネットワ-クのパタ-ンを解析し、そのモジュ-ルの立体構造形成への役割を考察した。 バルナ-ゼ、シトクロ-ムP450cam等の蛋白質におけるモジュ-ル内及びモジュ-ル間での水素結合、疎水相互作用を調べた結果、水素結合はモジュ-ル内に集中して分布していることが明らかになった。解析が完了していないが、他のタンパク質への一般化の可能性は高い。このことは、モジュ-ルの立体構造を決定する相互作用は主にモジュ-ル自身に内在していることを示唆する。一方、疎水相互作用の分布からは、モジュ-ル立体構造の安定化に、モジュ-ル間の疎水相互作用が大きく寄与していることが示唆された。 バルナ-ゼのモジュ-ル内の水素結合ネットワ-クのパタ-ンを調べた結果、ヘリックスやタ-ンなどの2次構造において主鎖間だけでなく側鎖間及び側鎖増鎖間の水素結合も形成され、モジュ-ルのコンパクトな立体構造形成に寄与していることが明らかになった。水素結合ネットワ-クのパタ-ンを表現するためのコンピュ-タ-言語による構造の記述法の基本部分を開発した。 シトクロ-ムP450においてバクテリアの系統で保存されるの残基の側鎖間水素結合ネットワ-クを調べた結果、二組見いだされた。これらは、機能上重要であると考えられる。構造形成上重要な原子間相互作用が分子進化においてどの様に保存されるかは、今後の問題であろう。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)