Project/Area Number |
03801007
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Psychology
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
加藤 孝義 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (80003987)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1991: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 数の情報処理 / クロスカルチュラル研究 / 偶数効果 / 偶数の優位性 / 数字の抹消作業 |
Research Abstract |
研究代表者が命名した〈偶数効果〉というのは、一桁の数字をランダムに配列して印刷した数列を作成し、偶数および奇数をそれぞれ別個に同じ時間抹消する作業を行うと、偶数の方の作業量が優位に多くなる現象を指すが、この効果は日本人の場合、小学校5年生位より大学生に至るまで広く現われることを見出している。 本研究の目的は、この偶数効果が日本人特有の文化的背景によるものなのか否かをクロスカルチュラルな観点から検討することであり、手始めにアメリカ人留学生を研究対象として調査を実施した。調査結果を要約してみると以下のようである。(1)偶数効果はアメリカ人留学生にも認められ、偶数と奇数の作業量差は統計的に有意であった(t=2.578,p〈0.02)。(2)平均作業量を比較すると、偶数作業量=461.8(日本人学生:528.9)、奇数作業量=382.4(同:443.2)であり、アメリカ人留学生の平均作業量は日本人学生のそれに比較しかなり水準が低かった。(3)作業量のバラツキを比較するために標準偏差を見ると、偶数の標準偏差(SD)=99.0(日本人学生68.8)、奇数のSD=90.7(同71.4)であり、アメリカ人留学生の方のバラツキが大きく、日本人学生の場合より個人差が大であることを指摘できる。(4)最大作業量および最小作業量をみると、偶数の場合723、344、奇数の場合540、230であり、前者の差は379後者の差は310であり、偶数の方のバラツキが大であった。(5)それぞれの抹消作業における抹消該当数字の見逃し率、抹消すべきでない数字を抹消したエラ-率をみると1%程度に過ぎず、全体の結果に影響しなかった。(6)アメリカ人留学生の65.2%は、偶数の数処理の方が容易であったと内省した。(7)なお中国人を主とする東南アジア系の留学生を対象としても若干検討したが、やはり偶数効果が観察され、作業量の水準は、日本人学生と同じ水準を示した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)