Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
研究実績は主として,非線型格子力学における動的自己局在モ-ドの解析的・数値的研究と反強磁性体における自己局在マグノンの研究に関して得られた。本研究は完全結晶における局在モ-ドの存在と云う意外性を含むものに端を發しているが,物理系物理系固有の非線型性が,線型の場合のエネルギ-・振動数バンドの外に局在モ-ドを發生し得ることを一般的に示すものであり,非線型物理学,固体物理学,数理物理学,分子物理学等に新たな知見を加えるとともに,強い非線型性を持つ量子系に所謂数状態では記述できない新しい局在素励起が存在することを明らかにした。設備備品費によるXウィンド-システムを用いた数値解析の能率情度の向上,旅費による研究連絡打合わせ調査等を含めて得られた研究実績は以下の通りである。 1.いくつかの一次元非線型格子において,通常のパルス型のソリトンの外に動く局在モ-ドとしての振動型ソリトンの存在を示した。(武野) 2.d一次元空間における動く局在モ-ドの厳密解を与える非線型励起子のモデルの構築を行い,この系が非線型格子力学における局在モ-ドのよい近似として基準系として取扱い得ることを示した。(武野) 3.任意構造,任意次元の団体における定常非線型局在モ-ドの理論の定式化を行い,団体,分子における局所的液体状態の存在を示した。(武野) 4.キンク型格子ソリトンの統計力学(理想気体近似)の定式化を行った。(本間) 5.ある種の一次元非線型不規則格子におけるソリトンの伝播と散乱の競合性を数値解析理論解析により研究した。(本間,武野) 6.量子力学におけるコヒ-レントな状態の概念を用いて,反強磁性体におけるマグノン系固有の非線型性により,通常の多マグノン束縛状態と異る性質を持つ定常局在モ-ドの存在を明らかにした。(武野) 7.コヒ-レントな状態と経路積分の概念を用いて,スピン波近似によらない非線型マグノンの問題の定式化が可能であることを見出した。(武野)
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