Project/Area Number |
03804017
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物性一般(含極低温・固体物性に対する理論)
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
西原 弘訓 龍谷大学, 理工学部, 助教授 (90107441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 陽二 龍谷大学, 理工学部, 教授 (50025780)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | フォノンエコ- / 高温超伝導酸磯物 / 磁束のピン止め |
Research Abstract |
我々は高温導酸化物YBa_2Cu_3O_<7ー>δの粉末試料において静磁場中でNMRのスピンエコ-ではない高周波の2パルスエコ-現象を発見した。このエコ-は以前から金属粉末や誘電粉末、フェライト粉末等で観測されているフォノンエコ-(あるいは高周波粉末エコ-、動的分極エコ-)と呼ばれるものによく似ているが、種々の高温超伝導酸化物の試料に対して実験を重ねることにより、超伝導状態でだけ観測され、低温から温度を上げていくと超伝導転移温度T_c直下で消失することと、静磁場と高周波磁場の間の角に対する信号強度の角度変化の実験結果から高温超伝導酸化物における特有の現象であることを確認した。TlーBaーCaーCuーO系の試料に対するフォノンエコ-の実験と同じ試料の反磁性磁化の温度変化のデ-タを比較することにより、フォノンエコ-の強度やエコ-減衰時間の温度変化が粉末中に存在する微量のT_cの低い相に敏感であることを見いだした。したがってこのフォノンエコ-の実験は高温超伝導酸化物の試料が単相のいい試料であるかどうかを調ベる一つの新しい方法となることがはっきりしたが、成分相の量の定量的評価は難しいことも明らかとなった。この高温超伝導酸化物におけるフォノンエコ-の生成のメカニズムはまだはっきりはないが、今後磁束のピン止め力の違う試料でフォノンエコ-の実験を行い、信号強度やエコ-減衰時間の温度変化のデ-タを比較することにより、我々の提唱している粉末試料にピン止めされた磁束の運動によるメカニズムかどうかをはっきりさせることができるのではないかと考えている。
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