Project/Area Number |
03805049
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Building structures/materials
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
富永 惠 京都大学, 工学部, 助教授 (90025924)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1991: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 鉄筋コンクリ-ト構造 / 地震応答 / 復元力特性 / 材料非線型 / Duffing方程式 / カオス発生領域 |
Research Abstract |
鉄筋コンクリ-ト構造物が大きな強度Bの周期的外力を受けると、往々、その復元力特性が激しく劣化して、内部的なせん断すべりのため、逆S字型のスリップモデルといわれる、復元力特性を示すに至る。また、このような周期的外力に起因して振動が生じる場合、鉄筋コンクリ-ト構造物が示す減衰ky;たかだか5%程度である。このような鉄筋コンクリ-ト構造物の振動系に関する、微分方程式の非線型バネおよび減衰kにかかわる項の特性は、大きさBの強制周期外力を受けるDuFFing方程式に頓似する特性である。ところで、Duffing方程式のkおよびBの値がある特別の値をとる場合、確定パラメ-タ-の微分方程式の解が一義的に定まら時間の経過とともに不規則な遷移振動が支配的となるが、これはカオスが原因と考えられている。 本研究では、カオスを生じるようなDuffing方程式と周期的外力を受ける鉄筋コンクリ-ト構造物の振動方程式との、外見類似性に着目して、かなり劣化した復元力特性をもつ鉄筋コンクリ-ト構造物の場合、カオス的な不規則振動を生じるかどうか、その可能性をパラメ-タ-kおよびBの値をwide scanningして数値解析によって調べた。この結果、 1)コンクリ-トの応力ー歪関係を劣化ヒステリシス型、鉄筋のそれをRambergーosgood型として、断面の曲げ解析を対象とした、復元力特性を有する、一質点振動系について応答解析を行った。この条件下ではDuffing方程式の非線型バネ項に相当する状態に系の特性を近づけることは難しく、カオスの発生を観測することはできなかった。 2)コンクリ-トおよび鉄筋の材料非線型性ばかりでなく、コンクリ-トに対する鉄筋の滑りを復元力特性モデルに入れることにより、Duffing方程式の非線型バネ項の特性を広範囲に調整することが可能である。これにもとづいた解析は現在実施中であり、未だ結論を得ていない。
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